山羊の診療Diary 症例11 山羊の跛行

*山羊の診療Diary  症例11 山羊の跛行

今回の症例は・・・

ゆうきさんのお家の山羊さんたちに夕方ごはんをあげにいくと、
その中の1頭の山羊さん、ゆきちゃんが右後ろ足を痛そうにしていることに気がつきました。
昨日までは元気にしていたのにどうしたのでしょう。
ゆきちゃんの様子をみていると食欲と元気はあります。

それではさっそく診察をはじめましょう。

まずは視診。歩く姿を観察してみます。

すると、ゆきちゃんは右後ろ脚をあげて歩いています。

足を挙上(上げる)する病気は

・骨折、捻挫
・背骨、股関節、膝、蹄などの異常
・神経や筋の損傷
・靱帯と腱の損傷
・蹄の間に棘が刺さる

などがあります。

次に触診をしていたい部分を確定します。
触診時気をつけるところは

「痛くないところから触る」です。

なぜかというと、
痛いところから触ると、痛みで動物が嫌がったりびっくりして
その後、どこを触っても痛がる反応や嫌がる反応をするようになり、
本当に痛いところがどこかわからなくなってしまうからです。

ゆきちゃんの肢を触診してみると、
足根骨(踵)の部分が腫れて痛みがあることがわかりました。

さらにその部位は熱感がありなにか液体が入っているような感触がありました。
そして、腫れている部分の皮膚を見るとごっそり毛が抜けていました。

また、腫れている部分の液体が何か確認するために
針を刺しました。(穿刺検査)

吸引された液体はさらさらした薄いピンク色の漿液でした。
もし、膿が出てきた場合は、細菌感染からの化膿性関節炎が疑われます。

もしかしたら、ゆきちゃんはどこかに足を挟んでしまったのかもしれません。
そこから足を外そうとしたときに挟まっていた毛がごっそり抜けてしまった可能性がありました。

以上のことから今回ゆきちゃんの治療は・・・

今後の感染を防ぎ痛みや腫れを取り除くために、
抗生物質と抗炎症剤の注射をしました。

そして、患部には鎮痛・消炎効果のあるカンメルブルーを塗布しました。
腫れが引くまで1日2回肢にスプレーを続けてもらうことにしましました。

このスプレーは名前の通り青色なので
ちゃんとお薬がついているのかわかりやすいです。

次の日はまだ足を引きずり腫れがありましたが
2日後には元気なりました。
そして、山羊さんは隙間などに足を挟んでしまうことが多いので
この後、ゆきちゃんの小屋に危ない場所がないか確認しました。
山羊さんが隙間に足を挟むとひどいときには骨折などの事故にもつながりますので、
山羊小屋の隙間など山羊さんにとって危ない場所がないか気をつけてあげてくださいね!

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