山羊の診療note5 ~繁殖季節について~

やぎの診療note5 ~繁殖季節について~

わたしたち人間は、毎月誰かのお誕生日がありますよね!
一年中、赤ちゃんが誕生しています。

さて山羊さんたちはどうでしょう?

山羊さんの赤ちゃんをよく見る季節があるように感じませんか?

春になると子山羊さんが生まれましたというお話を聞きませんか?

そうなんです。山羊さんは赤ちゃんを作れる季節と作れない季節があるのです。

一般に雌山羊さんの多くは秋になると(日の長さが短くなる)赤ちゃんを作る繁殖季節を迎えます。

しかし、全部の山羊さんが繁殖季節を持っているわけではありません。

品種や地域によって繁殖季節のあるもの(季節繁殖)と一年中、発情をを示すもの(周年繁殖)があります。

*品種で考えると・・・

ザーネン種は季節繁殖(9月~1月)で、
シバ山羊は周年繁殖です。

*地域で考えると・・・

高緯度の地域 季節繁殖
低緯度の地域 周年繁殖

となります。

なぜ緯度が関係するのでしょう?

山羊さんは昼の明るい時間が短くなる(短日性)と発情を開始します。

これを山羊さんの体のしくみから見てみると・・・

日が短くなり、夜が長くなると山羊さんの目の網膜が日長の減少を感知します。
すると夜の暗いときに出る「メラトニン」というホルモンが増えます。
このメラトニンがさらに発情に関連するホルモンの分泌を促して発情シーズンが始まっていきます。

高緯度の地域は日長の変化が大きいため、このようなしくみで季節繁殖を示しますが
低緯度の地域は日長の変化が小さいためはっきりとした繁殖季節を持たず周年繁殖を示す傾向になります。

面白いことに、季節繁殖型の品種の山羊さんを緯度の低い地域で飼育すると日長の変動が少なくなるため、
周年繁殖の形態になり、反対に周年繁殖の山羊さんを日長の変動が大きい高緯度の地域で飼育すると季節繁殖の形態になるそうです。

また、東南アジア等の雨期・乾期がはっきりしている地域で、粗飼料のみで飼育されると、
草が豊富な雨期に発情がくることがわかっています。

私の住んでる地域の山羊さんははザーネン種がもとの雑種が多いので季節繁殖を示す山羊が多いですが、地域の特性(緯度が低い)や雑種の品種の混ざり具合によって、
周年繁殖を示す山羊さんもいます。

このように、雌山羊さんのからだは日の長さや季節を感じて、
発情に関連するホルモンが分泌され、赤ちゃんを作る季節が決まっていきます。

一方、雄山羊さんはというと・・・

季節繁殖型の雄山羊さんも1年中交尾をすることが可能です。
しかし雌山羊さんの繁殖季節の方が性欲が高まり射精回数も増加、精子の活動能も高まります。

確かに、私が繁殖季節の11月に長野支場に伺ったとき、
ザーネンの雄山羊軍団は雌山羊さんたちを見るとふごふごいって大興奮していました。
しかし、3月に伺ったときはすっかりおとなしく、ぼーっとしていました。

それでもやっぱり、お隣のおんなのこたちが気になる雄山羊さん。

雌山羊さんたち。

なんだか雄ってシンプルですね。(ひとりごとです。。。)

(写真 家畜改良センター茨城牧場長野支場にて撮影)

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