研修レポート③ 山羊の気持ち

今回の研修レポートは、「子山羊の低体温」について長野支場で感じて考えてみたことです。

生まれて3日の子山羊さん
広い山羊舎にひとりぼっち。

ここでは、生まれた日齢が近いグループで山羊舎のお部屋にいます。
たまたまこの子山羊さんは出産のピークの終わりに生まれたので、
近い出生の子山羊がいませんでした。
そのため、はじめの3日間、初乳の給与が終わるまで広いお部屋にひとりぼっちでした。
でも元気いっぱい。

「気温-5℃のなか、広いお部屋に保温ランプ一つで寒くないの?
低体温にならないの?」

頭に「なぜ・どうしての」大きな?マークが生まれました。

私の住む島では、寒い冬でも気温が16℃位までしか下がりません。
しかし、子山羊の「低体温と低血糖」の症例にこの冬、何度も出会いました。

1日目の研修の報告時に院長先生にこの疑問を尋ねると
ヒントを一つくれました。

「そこに行ってヤギになってみるといいと思うよ」

そこで研修2日目に・・・

山羊の気持ちになってみる。

なるほど、なるほど・・・

空気は冷たいけど風は感じないな。
冬の島は北風がビュービュー吹いている。
風にあたるって寒いんだな。
体温が奪われる感じがするんだ。
下に敷いてある草があったかい。
この草が乾いているからいいんだな。
濡れていたら気持ち悪いよね。
もしコンクリートそのままだったら冷たそう。
ランプは小さいけど思ったよりあったかい。
ランプの下で丸くなったらなんだか眠くなってきたぞ。

しばらく子山羊さんと一緒に感じてみる。
そして、
感じたことがどんどん広がる。

ミルクの時間。

初乳をしっかり3日間1日3回飲んでいる。
これも免疫力をしっかりつけて元気でいる秘訣かな。

このミルクを出している母山羊はどんな状態だろう?
分娩前の山羊たちも搾乳している山羊たちも
みんな体がしっかりしている。
お話を聞くと、分娩前から飼料を増やしたり運動をさせているとのこと。

島に帰って、子山羊の低体温を解決するヒントがたくさん私の中に生まれました。

・・・・・
そして、

子山羊さんの部屋をそっと出る

ありがとうを言おうとふりかえる

「もう行くの?」と子山羊さん。

ああ、そうか
ごめんね
最後にひとつ
あなたのきもちをわすれてた
わたしのきもちもわすれてた

ひとりでも
だいじょうぶ
ひとりでも
いきられる

でもやっぱり
寄り添いたい
くっつきたい

自分以外に
もとめるあたたかさ

こんなあなたの気持ちをわすれてた
そんなわたしの気持ちも気づかせた

・・・・・

最後の初乳を飲み終えて
子山羊さんは
おとなりのお部屋に移動した
すぐにみんなとくっついて
すやすやと眠ってた

(写真は全て家畜改良センター茨城牧場長野支場にて撮影)

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