Category Archives: アン先生の記事

山羊の診療 note8 山羊は水を飲みますか?

山羊の診療note8

「山羊は水を飲みますか?」

「山羊は水をあげなくても大丈夫?」

飼い主さんからよく尋ねられる質問です。

答えは・・・

はい!!

山羊さんはお水のみます。

お水を飲む様子はこちら。

https://vet-present.com/wp-content/uploads/2019/09/img_9836.trim-1.mov

ごくごくとかぺろぺろではなく
山羊さんはこんなふうにすーっと吸い込むように飲みます。

新鮮な生草を食べているときは草に水分が多く含まれているので、
量をたくさん飲まないこともあります。
しかし、画像のように乾草を食べていると、お水をたくさん飲みます。
どちらにしても、いつでも自由にきれいなお水が飲めるようにしてあげてくださいね。

なぜなら、
お水が飲めなくて、体に足りなくなると、食欲が落ちます。
そこから、体調を崩したり、成長を妨げる原因にもなるからです。

そして・・・
山羊さんはすごいんです。
品種や用途によって違いますが、
肉用の山羊さんは羊さんの半分の水で生きることができます。

最近の環境問題の中の一つ、中東など水不足が深刻な地域では、
家畜に使用できる水が限られてきており、
そのため、
山羊さんの水が少なくても生きられる環境適応性についての
研究が注目されているとのことです。

厳しい環境で生きられる山羊さんはこれからの畜産に重要な存在なのかもしれません。

山羊の人工授精チャレンジ MMNS第1クール

山羊の人工授精チャレンジ MMNS第1クール

しばらく時間が空いてしまった、山羊の人工授精チャレンジ。

あきらめていませんよー!!

この間、前回の自然周期の人工授精がうまくいかなかった原因などを一つずつ
解決していました。

そして、あらたに
発情同期化を使った人工授精の研究をはじめました。

院長発案のこのプログラムは「MMNS」と名付けて、先月からスタートしています。

今回の研究に参加してくれる山羊さんは6頭です。

初日は妊娠鑑定をして妊娠していないかを確認しました。
6頭の山羊さんは雄山羊と一緒だった為、すでに妊娠している可能性があったからです。

妊娠鑑定の結果

3頭は妊娠鑑定(+)
1頭は確定できなかったので再鑑定
2頭は妊娠鑑定(-)

妊娠鑑定(-)だった2頭の山羊さん(山羊Aちゃん・山羊Bちゃん)はこの日から
MMNSプログラムの注射をスタートしました。

山羊Aちゃんは順調に第1クールで人工授精をしました。
山羊Bちゃんは再発情が見られたので、再度、MMNSの注射を行い人工授精をしました。

人工授精の際には、凍結精液の精子の状態を確認しました

人工授精の様子

現在、山羊Aちゃんと山羊Bちゃんは妊娠鑑定待ちです。

再鑑定の山羊Cちゃんは妊娠(-)だったため、
これからMMNSの同期化の注射からはじめます。

次回、良い報告ができますように!!

山羊の診療Diary  症例19  眼のふちのけが

*山羊の診療Diary  症例19 眼のふちのけが

今回の症例は・・・

山羊さん同士がけんかしてケガをしているので診察して欲しいという連絡がありました。

現場に行き、オーナーさんにお話しを伺うと、
月齢が近い山羊さん同士を同じケージに入れたところ、けんかをして眼をケガしてしまった
のではないかということでした。

診察してみると、左目の下眼瞼(まぶたの下側)が縦に切れて、めくれ上がっている状態でした。
幸い出血は止まって、眼には今のところ角膜などに傷はありませんでした。

次に飼育環境、一緒にした山羊さんを観察してみました。
ケガをしてしまった山羊さんは無角で、もう一方の山羊さんは角がありました。
確かに、けんかや遊んでいるうちにケガをした可能性もありますが、
飼育環境がワイヤーのケージのため、ワイヤーの端などでケガをした可能性も考えられました。

治療法として、下記の二つの方法をお話しさせていただきました。
①外科治療
麻酔をかけて傷を皮内縫合法という方法で縫う

②内科治療
抗生剤のお注射、内服で傷の感染を防ぐ。
点眼によって眼の乾燥を防ぐ。

オーナーさんと相談した結果、
この山羊さんは性別が雄でも雌でもない間性で、今後、出荷を考えているということで、
内科治療を選択され、出荷までの間、点眼で様子を見ながらケアしていくということになりました。

(間性については後日あらためて記事にしたいと思います)

注意点として傷自体は治っても、
瞬きが以前のようにできない場合、眼の乾燥が起こります。
眼が乾燥するということは、眼の表面の角膜に傷がつきやすくなったり、感染の可能性が増加します。
そのため、傷が回復した後も、経過を見ながら、今後も点眼が必要になる可能性をお話ししました。

また、ワイヤーケージは思わぬところで足をはさんだり、今回のようなケガを引き起こすことがあるので、
むき出しになったワイヤーを直したり、隙間を点検して、今後、ケガが起こらないようにお伝えしました。

院長追記〉〉

今回のように畜産業として飼育している場合、治す事は出来ても、最低限の処置に留まる事があります。

アン先生のように、獣医は動物だけでなく飼い主さんの目的、目標をきちんと受け取って治療方針を決める事が大切です。

間性のため今後繁殖させる事が出来ないという事、傷の状態は全身状態に大きな問題は起こさない事、畜産業なので治療コストを抑えた方がいい事、飼い主さんの気持ち。動物との接し方や飼育している目的は、飼い主さんごとに様々です。

総合的に最善の方法を選択して、さらに再発予防をします。

獣医師は獣医学的な知識や技術が必要なのはもちろんですが、人と接して話を聞く力、飼い主さんのことを理解する力がそれにも増して大切なんです。

山羊の診療Diary 症例18 妊娠鑑定

*山羊の診療Diary  症例18 妊娠鑑定依頼

前回の「山羊の人工授精チャレンジ」の記事でご紹介した、妊娠鑑定の依頼が来ました!!

今回の依頼は4頭。

早速、直腸からエコーを使用して妊娠鑑定をしました。

妊娠している山羊さんのエコーはオーナーさんも一緒に確認していただきました。

心臓の動きを確認するとやっぱりうれしいですね。

今回は、4頭中2頭の山羊さんが妊娠していました。

妊娠していない1頭は出荷されることが決まり、
もう1頭は再度、雄山羊と1か月一緒にしてみることになりました。

今回の妊娠鑑定依頼は畜産として山羊を飼育されている方からの依頼でした。
このように畜産として山羊を飼育している場合、出荷の判断材料になったり、
空胎(妊娠していないこと)の山羊を早めに見つけることによって、
妊娠の機会を時間を空けずに作ることができます。

また、妊娠している山羊さんの場合も、体長から出産予定日を推測することができます。
これは、分娩事故の予防につながります。

これからも、症例を積み重ねて、
より精度の高い妊娠鑑定ができるように工夫していきたいと思いました。

山羊の勉強会 ~山羊の病気と繁殖について~

地域の山羊流通生産組合さんより
山羊の勉強会の講師依頼がありました。

テーマは
「山羊の病気と繁殖について」

第1部では私が

この半年間、このブログでご紹介してきた症例をもとに
山羊の病気についてお話させていただきました。

第2部では院長が
山羊の繁殖についての基本や妊娠鑑定について
お話しさせていただきました。

講演の後には、山羊農家さん達から質問をたくさんいただき、
交流を持つことができました。

獣医師だけでは病気を見つけたり治すことはできません。
予防も含めて、山羊さんのオーナーさん達と一緒に
地域の山羊さんたちを大切にしていけたらと感じました。

木箱の診療セット

今日は、夕方に牛舎に行くととてもうれしいことがありました。

なんと、手作りのお薬など診療の道具を入れる箱をゆうきさんが作ってくれていました。

私は、診療車に乗せる診療セットを入れる箱について、しばらく悩んでいました。

プラスチックのバスケットをいくつか試したり、
100円ショップやホームセンターに行っては、ちょうどよいものがないか探していました。
なかなか、実用的でなおかつ好みのものが見つからず・・・。
緊急時に対応できて、なおかつ自分が心地よく使えるものがあったらいいなと思う日々。

私が探していた箱は、

・あまり箱が深いとお薬が取りにくいから深すぎないもの。
・薬を上から見ると何の薬かわからなくて、探すのに時間がかかるから一目で見えるようなもの。
・車まで薬を取りにいかなくて済むように持ち運びができるもの。
・病院の共用の車は診療の他にセリや荷物の運搬などいろいろな用途にも使用するので、
使う用途、使う人それぞれにアレンジができるように動かせるもの。
・衛生的に牛舎の下に置かずに掛けられるもの。
・個人的に木の素材が好き

しかし、こんな箱はどこにも見つかりませんでした。

すると、
DIYの得意なゆうきさんが、
木箱の診療セットを作ってくれることになったのです。

もともと、
ゆうきさんの人工授精の時に使用している車は、工夫がいっぱいで
見せていただいたときに、
素晴らしいな、私もこんな風にしたいなと思っていました。

物の場所がきちんと決まっていて、
それぞれ手作りでサイズがぴったりに収まるようになっています。

そして、車を見せてもらったときに、聞いたおはなしが
とても心に残っています。

ゆうきさんのお父さんは電気屋さんで、
その工具箱がいつもきちんと整えられているのを見てきたそうです。
自分が仕事に使う道具を整えておくこと、手入れしておくこと。
それは、きっと
お客様に対する誠意でもあり、自分の仕事に対する誇りでもあると思いました。

山羊さん達の草をいつも電気屋さんの車で運んでくれるお父さん。
その道具箱はお父さんの車の助手席にそっと置かれています。

・・・

私も作っていただいた木箱に
さっそくお薬や診療に使う道具を入れてみました。

お薬が一目瞭然。
緊急の時も、すぐにお薬を見つけることができます。
注射器や針もちょうどよく収まりました。

木箱の横には、ゆうきさんオリジナルの
可愛い山羊さんや牛さんの絵があります。


木を焼いて素敵な色合い。
そして、
肩に下げられたり手持ちにもできます。

診療車に置いても、ぴったりでした。

実用的で素敵な箱を作っていただいて感謝感激。
ありがとうございました。

新たな相棒の木箱。
木箱を使い込んで良い風合いになる頃には、
山羊の診療も私もこの地域になじんでいますように。

山羊の人工授精チャレンジ 現場での妊娠鑑定

山羊の人工授精チャレンジ 現場での妊娠鑑定

今まで、私たちは現場で、
牛の直腸検査に使用するエコーで妊娠鑑定を試みていました。
エコーのプローブを乳房の付け根にあてて、羊水に浮かぶ赤ちゃん山羊を探す方法です。
赤ちゃんの心臓が動くのを確認できたら、妊娠と診断していました。

長野の家畜改良センターで勉強させていただいたときは、この方法で妊娠鑑定が容易にできました。
しかし、私たちが使用しているエコーではなかなか乳房横のアプローチでは、
胎児を探すこと、特に心臓の動きを確認することが難しい状況でした。
おそらくプローブが小さいことやエコーの機械の精度などがが関係していると思われます。

確実に妊娠しているか、していないかがわからないと妊娠鑑定をする意味がなくなってしまいます。
超音波診断法の中でも経膣プローブを用いて膣の中に挿入する方法は、高い精度で妊娠を診断することができますが、
経膣プローブはとても高価なので、購入しなくてもできる方法をまずは検討してみました。

現場での妊娠鑑定の精度を上げるために、
はじめに試して見たのは・・・

「超音波ドップラー法」です。
この方法はお腹の中の赤ちゃんの心音または血流音を確認して妊娠を判定します。。
人工授精後、60日以降で診断が可能です。
人間の赤ちゃんの心音を自宅で聞ける、ドップラーを購入しました。

ひとまず、自分の胸にあてて心音を聞いてみると・・・

どきどきどきどき・・・・

はっきり聞こえる!!
これは期待できるかもとわくわくしながら、
さっそく確実に妊娠している山羊さんにドップラーをあてて見ました。

しかし・・・残念ながら全然聞こえず・・・。

そこで、院長発案、牛の妊娠鑑定と同じように直腸にプローブを入れる方法を
試してみることになりました。

この方法の問題点は、

・山羊さんは牛のようにおしりから手が入らない。

・プローブだけでは中に入っていかないということです。

この問題を解決するために、プローブにアタッチメントをつけました。

痛くないように、ゼリーをつけておしりから優しく挿入すると・・・
羊水に浮かぶ胎児が確認でき、心臓の動きも見ることができました。

現場での妊娠鑑定の決定版!!

この方法なら、精度が高く、
山羊さんのオーナーさん達からの妊娠鑑定の依頼を受けることができるようになりました。

妊娠鑑定をすることにはメリットがあります。

1つ目は
妊娠していない山羊さんを見つけることができ、再度種付けや雄山羊さんと一緒にすることで
妊娠に導くことができるということです。

畜産として、山羊さんを飼養している人たちには、子山羊が生まれないというのは死活問題になります。
妊娠鑑定によって、長い間、妊娠していない山羊さんがそのままでいることがなくなる、
すなわち生産性をあげることができるのです。

2つ目は
いつ妊娠したかわからない場合、エコーで胎児の体長を測ることで、おおよそのの月齢がわかります。
まだまだ、人工授精が山羊さんで行われていることが少なく、
雄山羊さんと一緒にして、妊娠するのを待っている方が多いです。
そのため、いつ種がついたかわからない、ということは分娩がいつなのかわからないのです。
分娩時期がわかれば、分娩前に母山羊さんの栄養状態を整えたり、分娩事故の予防にもなります。

参考までに…

ザーネン種の妊娠日齢と体長の関係は以下の通りです。

妊娠日齢
12日   0.2cm
18日   0.6cm
25日   1.0cm
35日   2.0cm
42日   3.0cm *超音波での妊娠鑑定の時期
56日   5.0cm
63日   9.0cm
84日   16.0cm *ここから急速に成長
140日  50.0cm
150日  出産

今後、直腸からの妊娠鑑定の精度を高める工夫や私の住む島の山羊さん達のデーターを妊娠鑑定時に集めていきたいと思っています。

山羊の診療山羊の診療Diary  症例17 足の外傷 ~山羊のトーマススプリント&福木での固定~

*山羊の診療Diary  症例17 足の外傷 ~山羊のトーマススプリント&福木での固定~

今回の症例は・・・

山羊さんが足を骨折しているみたいだから診療してほしいという依頼が来ました。

伺って見ると
子牛用のケージの中でうずくまっている山羊さんがいました。

前足どちらも曲げたままで伸ばせません。

両方の足に傷があり、ケガもしているようです。

お話しを伺うと
朝、オーナーさんがケージを覗くと
ケージの隙間に片方の足を挟んで、もう片方の足もケージの柵のところに引っかかって
宙づりの状態になっていたとのことです。

右足は膝のところの傷が
左の前足は脇のところに傷がありました。

まず傷の状態の改善のために
初診は抗生物質の注射を行いました。

そして、2診目。

傷は完全に治っていないものの
オーナーさんのお薬の塗布や看護のかいあって
快方に向かっていました。

食欲、元気はあって、立つ意欲もあるものの
前足、両足とも曲がったままになっていて、
伸ばせない状態でした。

私は固まっている膝をまっすぐに伸ばすのは
牛の症例をみていいると
とても難しいことを感じていました。
しかし、飼い主さんも私もやれるだけやってみたいという気持ちが
強く、院長先生にどうにかならないかと訴えました。

そして、ただのギブスだけでは足を伸ばすのは難しいから、
トーマススプリントが良いのではという方針を院長先生からいただき、
やってみることになりました。

トーマススプリントとは、肢先が床につかないようにして
負傷した部位や手術部位に負荷をかけないように
固定する外副子です。

そして、
牛舎にある材料を集めてオーナーさんの協力の下、院長先生が手作りしました!

固定が終わると・・・

治癒へのおおきな第一歩。
なんとか立つことができました。
このまま様子を見たいただくことになりました。

3診目は・・・

肢の経過を見るために山羊舎に伺うと、
あたらしいギブスが固定されていました。
オーナーさんにお話しを伺うと、
トーマススプリントだと立った後、立つことはできても
問題として、自分で座れない、
自力で立ち上がれない状態になってしまったとのことでした。

そこで、オーナーさん自身が先生の作ったトーマススプリントを参考に
改良し福木で固定し直したとのことです。

山羊さんの様子を観察してみると、
オーナーさんの工夫によって、
自分で座ったり立ったりできるようになっていました。

山羊さん自身もとても意欲のある山羊さんで一生懸命立とうとしているのを感じました。

以下の2つのことを注意していただいてこのまま経過を見ることになりました。

①足がむくんでいないか、足先が冷たくなっていないかを確認すること。

ギブスが強く巻きすぎていると、血流が阻害されてしまい、足がむくんでしまったり、
ひどいときには壊死してしまいます。

②皮膚の状態(褥瘡)に気をつける。

ギブスの端がずっと皮膚にあたったままの状態になると傷ができ感染が起こったり、
褥瘡ができてしまいます。

そして経過を伺いながらの1ヶ月後・・・

元気になりましたー!!
オーナーさんの献身的な看護のおかげで
最後にはギブスがなくても立つことができました!!

牛の診療時に
肢や膝がケガや感染でまっすぐにならない状態が続くと、
治療しても、立てないままの状態や足が曲がって固定されてしまう症例をいくつも見てきました。

しかし、今回はじめの状態はなかなか厳しいものでしたが、
山羊さん自身の治る力、オーナーさんの諦めない献身的なお世話の力で立つことができました。

動物の治る力を信じて、できることをしっかりやっていく大切さを感じた症例になりました。

この山羊さんは、もともとこの土地にゆかりのある血統の山羊さんで、
縁がつながり、違う島からオーナーさんのところに来たそうです。

雄山羊さんなのでこのまま元気に大きくなって、
この牧場で子山羊さんたちの誕生に貢献し、また新たな縁が繋がりますように!!

山羊の診療note6 ~腰麻痺(脳脊髄糸状虫症)について~

山羊の診療note6 ~腰麻痺(脳脊髄糸状虫症)について~

今回は、症例12と症例14の腰麻痺について詳しくお話したいと思います。

*原因

本来は牛の腹腔に寄生している指状糸状虫が、山羊に感染して体内を移動するうちに、神経組織を損傷する寄生虫の病気です。

*感染経路

指状糸状虫が寄生している牛の血液の中に子虫がいる

蚊が感染している牛を吸血すると蚊の中に子虫が入る
中間宿主の蚊 2週間で感染力を持つようになる

山羊が蚊に刺されたときに(吸血されたときに)山羊の血管に子虫が入り感染

山羊の体の中で脳脊髄神経に迷い込み症状が現れる

牛は腹腔内に移動して病害が出ることはありません。
山羊では子虫が脳脊髄神経に迷い込み、神経細胞を刺激したり、破壊することにより
運動障害などを引き起こします。

*発生の時期・地域

この病気の発生は牛と中間宿主(シナハマダラカ)がいる地域に限られます。
発生時期は、蚊の活動期(6月~10月)が感染時期であり、
その2週間~1ヶ月後に症状が現れる。
沖縄のように年中、蚊がいる場合は季節に関係なく感染の危険性があります。

*症状

神経が損傷された部位や程度によって症状は異なります。

腰部・後肢のまひ
歩様のふらつき
起立困難
斜頸(頭頸部が片方に傾く)
顔面神経麻痺によるよだれ、ごはんが食べられなくなる
前肢の麻痺

症例12のみやちゃんは立てなくなりました。(起立不能)

症例14のさしみちゃんは頭が傾きました。(斜頸)

神経の損傷以外は体温や呼吸、心拍に大きな変化なく
食欲もあって排便・排尿も正常なことが多いです。
しかし、立てないことで床ずれ(褥瘡)がおきて、
食欲がなくなり栄養状態の悪化すると、誇張症や床ずれからの
細菌感染などが起こり残念ながら死亡することがあります。

*治療

症状が出た場合、できるだけ早く駆虫剤の投与を行います。
また、
症状にあわせて、抗生物質や炎症を抑えるお薬、点滴などを
行っていきます。

そして、
オーナーさんの看護が回復までの間にとても重要になります。

症例12のみやちゃんは
筋肉が衰えたり、褥瘡を防止するために、
一日何度か立たせてあげることをお願いしました。

症例14のさしみちゃんは
栄養状態が悪くならないように、
人工ほ乳をお願いしました。

*予防
予防として以下の対策があります。

・蚊の発生時期に駆虫薬を投与すること
・蚊の発生時期には牛と離して飼うこと
(山羊から山羊の感染はありません)
・蚊の駆除(水たまりをつくらない)
・蚊に刺されないようにする
(蚊取り線香の使用やネットの設置)

マイダツ・脳天割り!!

のんびりした山羊さんの放牧風景。

山羊小屋のお掃除も終わって、

平和だなーと眺めていたら・・・

ドーン、ドーン

と大きな音が。

振り向くと、

だいわくんの必殺

マイダツ・脳天割り!!

マイダツ・脳天割りとは・・・

沖縄県多良間島の闘山羊大会、
ピンダーアースで山羊さんたちが繰り出す技のひとつです。
ちなみに多良間島の方言で、

ピンダ=山羊 アース=闘う

わたしは今年の5月に観戦に行ってきました!
この時の模様は改めて、記事にしますね。

公式パンフレットによると・・・

「マイダツ・脳天割りとは、
山羊特有の攻撃パターン。
自分を大きく見せ、相手を威嚇するために前足を高く上げ、
体を反らして、後ろ足立になる(マイダツ)。

目をひんむいて相手をにらみつけ体を預けるようにして正面に割り込む
(脳天割り)

両者がマイダツし合い割り込むタイミングが合えば、カキーンと角のぶつかる大きな音を
発し迫力がある。積極的な攻めとして認められる。
体力を消耗するワザで、これを多用するとバテることにもつながるため、必ずしも勝つとはいえない。」

だいわくんダイナミック!!

次のピンダーアース一緒に狙ってみようか?