Monthly Archives: July 2020

山羊の診療Diary症例30 乳頭の皮膚にできた膿疱

山羊の診療Diary症例30 乳頭の皮膚にできた膿疱

今回の症例は・・・
「出産した母ヤギのおっぱいが腫れているように見える今朝から、子ヤギがおっぱいを飲もうとすると足で蹴って
嫌がっているみたい。」
というご連絡がありました。

産後で乳房が痛そうという事で、乳房炎や乳頭損傷の可能性を考えながら、早速診療に伺いました。

お母さん山羊の星ちゃんは22日前に出産したとのことです。
星ちゃんのそばには元気な男の子と女の子の双子の子ヤギちゃんがいました。

飼い主さんに詳しくお話を伺うと、
昨日から、食欲はあるけれどいつもより元気がなく座っていることが多いとのことでした。

お熱を測ると、微熱でした。全身状態は良好です。
食欲も、乾草を診察中ももりもり食べていました。

乳頭の診察をしてみると、左右の乳頭にぶつぶつができていました。


針を刺してみると、白い膿が排出されました。


乳房自体は腫脹や熱感などはありませんでした。

治療は、
抗生物質を1週間投与、
そして、乳頭の刺激を減らすため、母ヤギさんから子ヤギさんを離す時間を作ってもらい、その間は人工哺乳をしていただくことにしました。

乳頭にいくつもの膿疱ができるのはヤギそして牛でも経験がないため、
詳しい病態については不明なままでしたが、まずは膿疱の基本の治療からはじめて見ることにしました。
乳頭の子ヤギさんの哺乳などで小さな傷ができ化膿してできた膿疱なら抗生剤の投与で改善されるのではと考えています。
しかし、基礎疾患やほかの原因の場合は、哺乳が維持できるような違う治療も考えなければと思っています。
人では無菌性の膿疱もあるようです。
このような症例を経験されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。

また経過はご報告したいと思います。

ヤギと一緒にロッケンロール♪

この度、ゆうきさんの牧場のヤギのだいわくんが
ミュージックビデオに出演しました!!

沖縄県にはなんと、琉球ドラゴンプロレスに所属する
ヤギのプロレスラー「ヒージャーキッドマン」さんがいます。
沖縄の方言で「ヤギ」=「ヒージャー」なのです。

そのヒージャーキッドマンさんのテーマソングのミュージックビデオにだいわくんが出演しました。

ビデオはこちらです↓
「ヒージャーキッドマンのテーマ」
演奏 THE OSAKA BULL(s)

THE OSAKA BULL(s)さんのHPはこちら

ビデオの中でだいわくんは見事な「マイダツ・脳天割り」を決めています。

(マイダツ・脳天割りの記事はこちら)

とっても元気の出る歌で、診療に行く途中についつい口ずさんでいます。

♪きっとヒーローきっとヒーロー
ヒーローヒージャーキッドマン♪

みなさんもぜひ
ヤギと一緒にロッケンロール♪

ヤギ界のヒーローとして
ヒージャーキッドマンさんがんばってくださいね。
必殺技のヒージャードロップキックを炸裂させてください。
ケガの時は診療しましょうか・・・!?
応援していますー。

琉球ドラゴンプロレスのHPはこちら

CDはこちらです。


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おっぱい大作戦 ヤギ編

おっぱい大作戦(ヤギ編)

今回は、おっぱい大作戦のヤギ編です。

山羊の診療Diary症例29 子ヤギの下痢(コクシジウム症)でご紹介した、ヤギののどかちゃん。
生後1か月でお母さんヤギが亡くなってしまい、コクシジウムという寄生虫の下痢のため入院していました。
また、お母さんが亡くなってから、1週間、草しかあげていなかったという事で、栄養も足りず、
消化もうまくできていなかったので、人工哺乳をする必要がありました。

普段は、ヤギの人工哺乳をするのに人間用の哺乳瓶を使っています。
しかし、乳首が太いのと硬さが固いので、慣れるまでに時間がかかる子がいます。
そこで、おっぱい大作戦(ウシ編)で手作りした、乳首を再度作成し使用してみることにしました。

材料
・お掃除や炊事の時に使う手袋
・ペットボトル
・ペットボトルのふた
・ガムテープ

作り方
1.ペットボトルのふたの部分をくりぬく手袋の指の部分を切る
2.ふたにかぶせてガムテープなどで固定する
3.指の先端に穴をあけてミルクがちょうどよく出る量を調整する

早速、のどかちゃんに試してみました。

のどかちゃんのお口に手作り乳首をくわえさせて、初めは少し押してミルクを出しました。
何度かやっているうちに・・・
自分で吸うことができました!!
手作り乳首大成功。

その後、人間用とヤギ用の乳首でも哺乳しましたが、すぐに上手に使うことができました。
そして、人間の哺乳瓶よりも手作り乳首のほうが吸いやすそうでした。

人工哺乳をする態勢は、足の間に挟んで壁際で後ろに下がれないようにします。
お母さんのおっぱいを吸うときみたいに、頭の前を手で押さえてあげるのも飲みやすくなります。

一つ注意点があります。
手袋を使う場合は、しっかりふたにくっつけないと、勢いよく哺乳した際に、手袋の先が外れて飲み込んでしまう危険性があります。

実際、一度外れて慌てて口に手を突っ込んで飲み込むのを避けられましたが、かなり焦りました…。

もし飲み込んでしまったら取り出すには手術しかありません。哺乳どころではありません。十分注意してくださいね。

 

退院時に、オーナーさんに人工哺乳のやり方をお伝えし、これからしばらくがんばっていただくことになりました。

前回の牛編では、手作り乳首での哺乳は成功しませんでしたが、人間の哺乳瓶よりも飲みやすそうでヤギさんでは大成功でした。

下痢も治って無事退院したのどかちゃん。オーナーさんにミルクをもらってすくすく大きくなってね!