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ヤギ飼育の基本講習会を開催しました in まいぱり宮古島熱帯果樹園

先月、ヤギ飼育の基本講習会を開催しました。

今回の講習会は、ヤギの健康管理でいつも診療にお伺いしています「まいぱり宮古島熱帯果樹園
のスタッフの皆さんに向けての講習会でした。

まいぱり宮古島熱帯果樹園さんでは、現在9頭のヤギさんたちが暮らしています。

スタッフさんの方の中には、はじめてヤギをお世話する方もいらっしゃるとのことで、ヤギの基本をみんなで勉強することになりました。

この機会に、普段の診療では伝えきれなかったことをお話したり、管理する上での悩みや質問などをお受けしたりしました。

第1部は院長、第2部は私が講師としてお話させていいただきました。

第1部 ヤギってどんな動物?
・動物の分類からみたヤギ
・ヤギの消化の仕組み
・成ヤギの基本のごはんについて
・島でよくヤギにあげる野草の栄養について

第2部 ヤギがどんな時獣医さんを呼ぶ?
・ヤギでよくみられる3つの病気のお話
(下痢・鼓脹症とルーメンアシドーシス・腰マヒ)
・ヤギの健康チェック
・事前にいただいていた質問の回答
「ヤギの仲間はずれといじめについて」

第3部は削蹄師のゆうきさんに講師をお願いし、
実際にまいぱりのヤギのはなこちゃんの削蹄をしながらの実技講習を行いました。

第3部 ヤギの削蹄

みなさんとても勉強熱心で、質問もたくさんいただいた講習会でした。
普段、診療に行った際もいつもたくさん質問をいただきます。

また何か問題が出た時は、皆さんで話し合われてヤギたちが健康に暮らせる努力をしていらっしゃいます。先日はヤギの健康チェツクシートを作成されていました。

わたしたちも勉強会や診療を通して、ヤギの健康管理をこれからも一緒にがんばっていきます。

まいぱり宮古島熱帯果樹園のホームページはこちらです。

きれいな南の島のお花やくだものが園内にたくさんあり、お散歩するのにもとても素敵な場所です。
そして、かわいいヤギさんや宮古馬に会うことができます。
この春に生まれた子ヤギのハイジちゃんやクララちゃんもすくすく成長中。
まいぱりのスタッフの方が大切に愛情をもって人工哺乳を頑張ったヤギさんなのでとても人に慣れています。
宮古島にいらっしゃった際には、まいぱり宮古島熱帯果樹園で、「ハイジー!」「クララー!」と声をかけてみてくださいね。

また、講習会開催などのご希望はお気軽にこちらのブログのコメント欄よりご連絡ください。

第21回日本山羊研究会で発表しました!

2020年3月25日(水)に開催されました第21回日本山羊研究会で発表をしました。

本来は京都大学での開催でしたが、コロナウィルスの影響で「ZOOM」というシステムを使用したWEBでの開催となりました。

私たちの病院からは2題発表しました。

・小動物病院と一緒にできる山羊の診療
~日本における山羊の診療体制の確立をめざして~

山羊がいつでもどこでも安心して診療が受けられるようになるには、大動物病院だけでなく小動物病医院での受け入れが必要ではないかと考えています。そのために、診療手技やお薬、薬の薬用量、症例などを発表して山羊の診療体制の確立の一助になればという想いから発表しました。

・山羊のルーメンアシドーシスの事例報告
~沖縄県宮古島において1年間に診療した山羊の病気~

山羊のルーメンアシドーシスを3例の症例発表です。原因として飼い主さんの飼養管理の失宜により容易に発生する病気です。早期発見と牛の治療を準用した治療で回復したので治療法をご紹介しました。

山羊の研究者のみなさんや獣医さん、社会学の研究者の方のお話など「山羊」をキーワードに
様々な分野のお話が聞けて、とても楽しく勉強させていただきました。また、私たちの発表にも、いろいろなご意見やご質問をいただきありがとうございました。
今後の診療に役立てていきたいと思っています。
発表に関することでご質問がございましたら、ブログのコメント欄からお気軽にご連絡ください。

山羊サミット報告会と勉強会

地域の山羊流通生産組合さんより山羊の勉強会の講師依頼がありました。
去年の8月の勉強会に引き続き第2回目の勉強会です。
また、勉強会と合わせて、山梨の山羊サミット参加の報告会も
合わせて行いました。
ゆうきさん先生と私の3人で講師を務めさせていただきました。

勉強会の内容は以下の通りです。

①第21回 全国山羊サミット参加報告
「みなさん、山羊サミットをご存じですか?
年に1度、全国の山羊の研究者や飼い主さんなど山羊に携わる人たちが集まる会議があります。
今年度、ポスター発表という形で宮古島の山羊の診療や削蹄について発表をしましたので、報告します。」

*山羊サミットで得た全国の山羊の情報や課題をもとに今後私たちの住む地域の
山羊の生産がどのように発展できるかの提案を行いました。

②山羊の繁殖  2年3産を目指すには ~山羊の発情コントロールと妊娠鑑定~

「うちの山羊さん妊娠してると思ったら太ってるだけだった・・・
そんなことがないように山羊の繁殖について一緒に勉強しましょう!」

*山羊の繁殖の基本とさらにその先、2年3産を目指すために必要な発情コントロールのお話をさせていただきました。

③山羊の病気  山羊の胃腸の病気
「あれ?さっきまで山羊のごはんを美味しそうにいっぱい食べてたのに、
お腹がふくらんでぐったりしてる・・・大丈夫?!
さて、この山羊さんのお腹の中はどんなことになっているのでしょう?
山羊の消化と胃腸の病気についてお話しします。」

*山羊の胃と消化の仕組みの基本から、よく見られる胃腸の病気についてお話させていただきました。

たくさんの地域の山羊生産者さんたちとお会いできるので、山羊さんたちが健康に暮らす為に、このような機会に診療で得た知見を飼い主のみなさまに還元していきます。
勉強会では「わかりやすい」と「すぐ実践できる」を一番にお話させていただいています。講師の依頼はご相談ください。

山羊の獣医師個別研修の受け入れを行いました

先日、山羊の獣医師個別研修の受け入れを行いました!

今回研修に参加されたのは、
関東で小動物病院を経営されている獣医師ご夫妻です。
山羊さんをご自分で飼育されているということで、
今後地域の山羊さんの診療を受け入れたいというお話でした。

 

今回のヤギ獣医師研修の内容

今回の獣医師研修の内容はこちらです。

1.山羊の飼育で獣医師が知っておく届け出など
2.山羊の保定法・ロープワークの実習
3.山羊の診療
・山羊の往診時の初診症例へのアプローチ法
・身体検査・体温測定
・心臓・肺の聴診
・腹部の触診・聴打診法
4.注射法・採血法・留置針の挿入法の実習
5.経口カテーテル・経鼻カテーテルの挿入方法について実習
6.妊娠鑑定
7.質疑・応答

 

実際の実習風景を写真で

実際の実習風景はこちらです。

山羊の診療や法律についての座学風景
はじめに座学で山羊の診療の基本や法律のお話をしました

 

山羊を追い込む練習山羊を追い込んで捕まえる実習風景

山羊を追い込んで捕まえる実習です

 

ヤギ診療のための保定法・ロープワークの実習風景
ヤギ診療のための保定法・ロープワークの実習

 

点滴の為の静脈留置の実習風景静脈留置の実習を受ける受講者

点滴の為の静脈留置の実習

 

経口カテーテル挿入の実習風景
経口カテーテル挿入の実習

 

妊娠鑑定の実習風景
妊娠鑑定の実習

 

削蹄の実習風景

削蹄の実習

 

山羊のかかりつけ獣医師が増えるには、小動物病院での受け入れが不可欠。より良い診療体制のために

山羊の獣医師の個別実習の受け入れを決めたのは、
山羊のかかりつけ獣医師が増えるには、小動物病院での受け入れが不可欠だと考えたからです。
また、山羊を診療する獣医さんが増えれば、
私たちも、小動物の先生や他分野の獣医さんから学ばせていただくくことができ
診療体制がより良いものになっていくのではと思いました。
山羊の診療に関わる獣医さんの仲間が増える様に今後も個別研修の受け入れをおこなっていきます。

山羊や牛の獣医師研修は・・・
宮古獣医科医院で受け付けています。
(本記事のコメントもしくは研修の案内ページからご連絡ください)

 

日本では山羊の診療や薬用量の専門の本が少ない。山羊の診療を始める人が学びやすいように

山羊科で診療をはじめる体制を作るまで、私ははじめ試行錯誤しました。
日本では山羊の診療や薬用量の専門の本が少ないのです。
ゆうきさんの牧場で山羊の飼養管理から学びはじめ、
家畜改良センターの長野支場の個別研修を経て、現在山羊科のある宮古獣医科医院で院長の指導の下、
現在ひとつずつ症例を積み重ねて今があります。

まだまだ自分自身、勉強の途中ですがですが、次に山羊の診療を始める人が同じ苦労をしないように自分が得てきたものは、
研修やこのブログを通して発信していきたいと思っています。

今回の実習の後、助けていただいてるみなさん、応援して支えてくれているみなさんに
これから少しずつお返ししていきたいと改めて思いました。
たくさんの恵みを私たちに与えてくれる山羊さんたちが元気に暮らせるように
みんなで力をあわせていきましょう。

子ヤギの写真

「ヤギの友」第41号に寄稿、掲載されました

全国山羊ネットワークで年2回発行されている会報「山羊の友」の第41号に寄稿し掲載されました。

ヤギの友

内容は山羊サミットでの発表をまとめた「山羊の病気と削蹄」です。

全国山羊ネットワークとは・・・・(ホームページより)

「全国山羊ネットワークは、山羊やその生産物に興味のある方々の集まりです。
山羊を飼っている・いないに関わらず個々の山羊に関する情報を交換し合い、我が国における山羊の振興を図ることを目的としています。」

ホームページはこちらです↓

全国山羊ネットワーク | プロフィール

会報の「山羊の友」は山羊ネットワークの会員になるとこちらでバックナンバーが注文ができます。山羊の飼い主さん、研究者のみなさん、チーズやミルクの生産者さん、そして私たちのような獣医さんの投稿もあり山羊についてたくさんの情報が載っていますよ!!

山羊の削蹄講習会を開催しました

山羊の削蹄講習会を開催しました

12月の終わりに山羊の削蹄講習会を開催しました!

地域の山羊生産流通組合さん主催の勉強会の講師を
ゆうきさんと院長先生とを務めさせていただきました。

山羊の削蹄講習会の会場

今回のテーマは「山羊の削蹄」です。

(前回は「山羊の病気と繁殖について」お話しさせていただきました。)

 

山羊の蹄の構造と解剖について、削蹄の際に出血した場合の対処法、山羊の削蹄の基本と実際についてを実演講義

第1部では院長先生が

「山羊の蹄の構造と解剖について」と
「削蹄の際、出血した場合の対処法」についてお話しさせていただきました。

関連記事:
山羊の削蹄① 山羊の蹄の構造について

山羊の削蹄② 山羊の蹄の解剖について

第2部ではゆうきさんが
「山羊の削蹄の基本と実際について」
実演をしながらの講義を行いました。

はじめはゆうきさんの削蹄の実演。

削蹄の実演

保定法や道具など、いろいろな質問が飛び交いました。

関連記事:
山羊の削蹄③ ~削蹄の道具~

山羊の人工授精チャレンジ「保定台を作ろう!」

次に、実際に参加者のみなさんに削蹄をしていただきました。

参加者のみなさんで削蹄

院長先生と、削蹄をする参加者

実際に、削蹄をしてみると足の持ち方やハサミの角度など見ているより難しい~。

でも、一緒にやっているうちに少しずつできるようになっていき
参加者の皆さんが笑顔になっていきました。

 

講習会をきっかけに「自分の山羊の削蹄をしてみる」との声

診療で、山羊舎に伺うと蹄が伸びすぎて歩きづらそうにしている山羊さんをよくみかけます。

講習会の終わりには「お家に帰って、自分の山羊の削蹄をしてみる」という声があちこちから聞こえてきました。

この講習会がきっかけになり、山羊さんの蹄の手入れに目を向けて頂ければ
うれしい限りです。

良いお天気の中、たくさんの皆さんに参加していただき、
終始、なごやかな楽しい講習会になりました。

削蹄講習会の資料は今後このブログでご紹介していきたいと思います。

全国山羊サミットin山梨に参加しました。山羊の病気・人工授精・削蹄講習会を発表

11月23日と24日に山梨県で開催された第21回全国山羊サミットに参加しました!!

今回、この1年ブログでまとめていた山羊の病気と人工授精について、
また近々、開催予定の山羊の削蹄講習会の資料を発表させていただきました。
発表に至った経緯には2つの想いがありました。

1つめは山羊の飼い主のみなさまに日常に起こる病気の診療についてお伝えしたいという想いです。

2つめは全国的にも山羊の診療をしてくれる病院や獣医師が少ないということから、
症例や治療を発表することで、病気の山羊さんの治療を受け入れてくれる獣医師や病院が増え
山羊の飼い主のみなさまの安心に繋がればという想いです。

会場の一画にブースを作らせていただいて、ポスター発表のほかに、
「山羊の健康相談」と「山羊の削蹄相談」を設けました。

全国の山羊の研究の先生方、山羊の飼い主様とお会いすることができ
私たちもたくさん学ばせていただきました。
これからの診療、研究につなげていきたいと思っています。
この場をお借りして御礼を申し上げます。
ありがとうございました!!

山羊の勉強会 ~山羊の病気と繁殖について~

地域の山羊流通生産組合さんより
山羊の勉強会の講師依頼がありました。

テーマは
「山羊の病気と繁殖について」

第1部では私が

この半年間、このブログでご紹介してきた症例をもとに
山羊の病気についてお話させていただきました。

第2部では院長が
山羊の繁殖についての基本や妊娠鑑定について
お話しさせていただきました。

講演の後には、山羊農家さん達から質問をたくさんいただき、
交流を持つことができました。

獣医師だけでは病気を見つけたり治すことはできません。
予防も含めて、山羊さんのオーナーさん達と一緒に
地域の山羊さんたちを大切にしていけたらと感じました。

研修レポート6「手作り山羊の保定台対決」

今回の研修レポートは「山羊の保定台について」です。

以前、このブログでご紹介した、人工授精チャレンジでもおなじみの
「ゆうきさんの手作り哺乳ストール&保定台」を覚えていますか?

山羊の人工授精チャレンジ 保定台を作ろう!

 

ヤギと保定台ゆうきさんの手作り山羊保定台

長野支場のみなさんに「すごいねー!!」と褒めていただきました。
私はうれしくなり得意気にいろいろ説明。
実際私はちょっとお手伝いしただけなのですが・・・

すると、長野支場の大ベテランのSさんが
「俺も昔、保定台をを作ったよ。一人で作業できるよ。」
「えー!!それは是非見てみたいです・・・保定台対決だ!!」
と一人鼻息荒くお願いして見せていただくことになりました。

次の日急遽「Sさん手作り保定台」を出していただきました。

じゃじゃーん!!こちらです。

Sさん手作りヤギ保定台ヤギと手作り保定台ヤギ保定台後ろから

素晴らしいの一言。
保定してみると山羊さんは、まったく動くことなくそして苦しそうでもありません。
山羊の体の大きさに合わせてきちんと採寸されており全部がちょうど良い。
これなら自分一人でも人工授精などの作業が出来る。

Sさんはもし私が使うなら、現場で使いやすいようにタイヤをつけて稼働式にしたり、
力がない私でも疲れないように脚を持ち上げるのを電動にしたりなどなど、
まだまだ改良出来るとお話されていました。

今回の実習では、子山羊の飼育管理などの実技に加え、みなさんと山羊について語り合った時間が
私にとって、心温まる貴重なものとなりました。
島に帰って、私もますます頑張りたい!!とたくさんのやる気をいただいて実習は終わりました。
長野支場のみなさん、そして山羊さんたち、いっぱいありがとうございました。

(写真 家畜改良センター茨城牧場長野支場にて撮影)

明日から家畜改良センターで、子山羊の育成管理実習

あったかーい南の島から、まださむーい長野県へ。

明日から家畜改良センターで、

子山羊さんの育成管理の勉強を2日間します。

到着してひとまず、ふれあい牧場の山羊さんたちにご挨拶。

お久しぶりー。

ふれあい牧場の山羊たち

私にはホテルから歩くこの改良センターまでの道のりが夢のよう。

図書館→美術館→ヒマラヤ杉の並木道→山羊牧場

あー。好きなものばかり。

ヒマラヤ杉の並木道

改良センターの建物も昔の木造のものが残っていて素敵なのです。

木造の家畜改良センター

そして、なにより実習のお楽しみは現場でお仕事してるスタッフのみなさんにお会いすること。今回の実習は2回目で、初めて伺ったとき、本当に皆さんの温かさに心がいっぱいになり実習を終えたのでした。

山羊さんが繋いでくれたご縁に感謝して、明日から勉強頑張ります。

島で待ってる山羊さんたちの健康に少しでも繋がりますように。