Monthly Archives: October 2020

ヤギはなぜ登る?

ヤギはなぜ登る?をキーワードに、ヤギの食性、産業利用などについてお話します。

当ブログの立ち上げから管理をお願いしている、webデザイナー、マーケティングスペシャリストの中田さんとの対談です。

ラジオ形式でお送りします。

ヤギはなぜ登る?の対談

9分くらいのお話なので、お時間のある時にお楽しみください。

あとで調べたところ、カバは複胃だけれど反芻はしないそうです。またヤギは山岳地帯を好んで生息する種が多いそうですよ。

 

中田さんのチャンネルはこちら→

webセキュリティやわらか超入門 by 魔法使いのWebマーケティング【まほウェブradio】 • A podcast on Anchor https://anchor.fm/marketing-wizard/episodes/web-eld7hl

山羊の診療Diary症例35 中手骨の骨折②

山羊の診療Diary症例35 中手骨の骨折②

今回のお話は、前回の続きになります。

左前足の中手骨を骨折してしまったおおちゃん。
副木とテープで仮に固定をし、次の日にギブスで固定することになりました。

まずはじめに、昨日仮で固定した副木とテープを外しました。

確認すすると、やはり中手骨が折れて、ガタガタしています。

はじめに「オルテックス」というギブス用包帯を巻きます。
これは、ふわふわした綿のようなもので、
ポリエステルとレーヨンの混紡で、肌触り・吸湿性に優れていてクッションの役目をします。
また、手で簡単に切れるので使いやすく、色が青いのでギブスをとる際に目印になります。

足先まで巻いたら、次に「スコッチキャスト」を巻いてギブス固定をします。
これは水で硬化させるキャスティングテープです。
素材はガラス繊維にポリウレタン樹脂を含浸させたもので、水に浸すと固まります。
石膏ギブスのような固定ができます。

ベタベタと接着するので必ず手袋をつけて行います。
素手では触らないようにしてくださいね。
そして、袋から出すと、どんどん固まってきてしまうので時間との勝負。
しっかり巻いた後は、お水をつけるとさらに固くします。

無事にギブス固定ができました。
しっかり固まっているので、足をついて歩けるようでした。

そして、3週間後・・・

ギブスを外しました。

外して骨折部位を確認するとしっかりとくっついていました。

立たせてみると、足を少し上げていましたが、このままリハビリもかねて様子を見ることになりました。

その後、飼い主さんからご連絡があり、徐々に足も地面について元気にしているというお話でした。

さらに1か月後・・・

診療の途中でおおちゃんのおうちのそばを通りかかったので、

「おおちゃーん!」
と声をかけると・・・

こちらに元気に歩いてきてくれました。


おっ!足も地面につけるようになっているね!
良かった、良かった。
これで広い放牧場で元気に遊べるね。

山羊の診療Diary症例35  中手骨の骨折①

山羊の診療Diary症例35 中手骨の骨折①

今回のお話は、・・・

「前足を上にあげてびっこひいているので診療してほしい。」

というご連絡が来ました。

早速、ヤギさんたちがいる放牧場に行ってみると、

1頭だけゆっくり前肢をあげて最後にそばに来たヤギさんがいました。
近くに来てくれたおおちゃん。左の前足を上にあげています。

飼い主さんにお話を伺うと
女の子のヤギのおおちゃんは、今朝、放牧場のフェンスにに足が挟まっていたそうです。
すぐに、おおちゃんの足を外して助けてあげたそうですが、その時から左の足をあげて歩いているという事でした。
食欲はあり、声をかけるといつも通り来るという事でした。

この放牧場は、草原の中に、大きなガジュマルの木があり、琉球石灰岩で作った岩山もあります。
岩山はヤギさんたちの遊び場になっていて、
大きなガジュマルは木陰を作り、みんなの休憩所になっていました。
近くをよく診療で通りかかるので、いつもヤギさんたちが気持ちよさそうに暮らしているなと思ってみていました。

ヤギさんたちが岩山に昇っています。

おおちゃんを飼い主さんにおさえてもらって、左前足を触診してみると
触った瞬間「折れている!」ということがはっきりわかりました。

肢をよく見ても傷もななく骨も飛び出したりという事はありませんでした
場所は、中手骨で触ると折れた骨がこすれるざらざらする感触が伝わってきます。
開放性の骨折ではなかったので、ギブスで固定して治療することになりました。

しかし、この時、診療車にギブスなどが載ってなかったので、
今日は応急処置の固定をすることになりました。

はじめに足をまげて固定してみました。
これは、犬の前肢の骨折のときの包帯法「ベルポースリング法」という方法です。
牛の上腕骨折の治療で使用している例もあり、ヤギの治療でも有用なのではと考えたからです。
これなら、足を地面につくことがなく、骨折した部分に負重がかからずにすみます。

しかし、固定はうまくできたものの今回は中手骨の骨折だった為、関節を曲げたままにしておくよりも伸ばして固定したほうが良いのではと考え直し、全部外してやり直すことにしました。

足を伸ばして、段ボールで副木を作って布テープで固定しました。

この布テープは、ホームセンターで売っているものですが診療でよく使います。
水や汚れに強くて、しっかりくっつくのにはがすときはきれいに剥がれます。
(牛の臍ヘルニアのときおなかに巻いたり、関節炎の時にも足に巻いてりして使っています)

副木とテープで固定が終わると、足先を下について立っていました。
あまり今は、この足に負重をかけて欲しくないのですが、
治療が終わると、岩山のみんなのところに一生懸命登っていきました。

感染がおこらないように抗生物質のお注射を打って、明日ギブスを巻きなおすことになりました。

次回は、ギブスでの固定のお話です。

つづく。

はじめてヤギがお家にやってきた(ヤギの飼養相談)

今回のお話は・・・

まいぱり熱帯果樹園のヤギのペーターくんがお引越しすることになりました。

私たちは先春、まいぱり熱帯果樹園のヤギのはなこちゃんが3つ子を出産し、クララ・ハイジ・ペーターと名付けられ、ヤギ担当の方が一生懸命育てていたのを見てきました。健康チェック、駆虫なども済ませてお引越し前の準備は万全でした。

そしてお引越し先のご家族の方から、
初めてヤギと暮らすので相談したいという依頼が来ました。

お伺いしてみると・・・

まだ、お引越ししてから1週間、
すっかり子供たちと仲良しになっているペーターくんが待っていました。

到着するなり、子供たちがペーターくんのことをいっぱい教えてくれます。

一緒にお散歩してるんだよ。
走るととっても早いんだよ。
でも、好きな草があると歩いてくれないの。
あの木の葉っぱ全部食べちゃった。
ヤギには胃がいっぱいあるの?
トマトは食べたらだめですか?

と元気にお話してくれます。

はじめに、お話を聞いて、ひとつずつ質問に答えました。
そして、ペーターくんが元気でいられるように、
健康チェックを一緒にしました。

まずはお熱の測り方。
おしりから優しく体温計をいれてあげてね。

お母さまから
体温計は人間用ので大丈夫ですか?
というご質問があり、
「測るのは人間用ので大丈夫です。
ペーターくん用に一つあると良いと思います」とお答えしました。

次は心臓の音を聞いてみてもらいました。

ヤギさんがどんな風だったら具合が悪いのかのお話をしました。

この後、ペーターくんとお散歩しながら、

ペーターくんのおうちを見せてもらいました。

そこには・・・


立派な表札が!!
これは、まいぱりのヤギの担当の方がお別れの時にプレゼントしてくれたそうです。

そしてペーターくんのお家はこちら。

屋根が上から開くようになっていて、掃除や換気がしやすいつくりになっていました。

床が高床でないので雨の時のことを伺うと、
雨の日はガレージに行くという事でした。

この後、
ペーターくんが何を食べているのか伺いました。
ヤギ用飼料、オーツヘイ、野草というお話でした。
ごはんはバランスよくあげられていて、体格も問題ないとお話ししました。
アドバイスとして草を2種類以上あげていただくことにしました。
そして、お庭にある、草木の中でヤギさんの好きな草木を子供たちと一緒に探しました。

はじめてヤギと暮らすという事でしたが、こちらのお父様は先日、まいぱり熱帯果樹園で開催した勉強会にも参加されていました。
またお子さんたちも、すっかりヤギが大好きになり、勉強会の資料を読んだり、インターネットでいろいろ調べてくれたりしていたので、すでにヤギについてとっても詳しくなっています。ですから大きな問題もなく、改善点はありませんでした。

病院ではこのような、飼養相談の依頼も受けています。なぜなら、病気にならないことが一番だと思うからです。
そのためにまずヤギがどんな動物か知ることからです!

ご家族でお休みの日にペーターくんとお散歩するのが楽しみだそうです。
そして、女の子のヤギさんを迎えて、いずれは赤ちゃんに会いたいとお話されていました。

ペーターくん。ご家族様。元気に楽しく暮らしてくださいね!!