牛は偶蹄目(ぐうていもく)といって、指2本で立っている動物です。…と思ったら、偶蹄目は廃止されたみたいですね。現在では鯨偶蹄目(くじらぐうていもく)と言うみたいです。牛、クジラ、ラクダ、ヤギ、などは、哺乳類の中でどうも近縁という事らしいですね。
牛のツメを蹄(てい)と言います。蹄に何か障害があるのを蹄病(ていびょう)と言います。
牛舎の床はコンクリートでできている事が多いのでうまくツメが削れなかったり、長時間立っている事で血行が悪くなったりしてツメ(蹄)が痛くなる事があるんです。
今日は右後ろ脚が痛い牛の治療をします。
これが右後ろ脚。歩き方から予想していた通り、その外側(写真右側)の指が痛いようで、大きなっています。ヒトの指と違って、地面につく部分まで硬いツメで覆われています。
横からみるとこうなってます。
後ろからみるとこう。ちょっとわかりにくいですが、外側の蹄と内側の蹄の高さが違っています。
牛も痛いところで立ちたくないので、内側ばかり使って立ちます。内側の蹄が削れていくと、痛い外側の蹄はどんどん大きくなって、バランスが崩れてくるんですね。
痛いところを鎌で切ってみると、
ツメの接地部分に亀裂が入っているのがわかります。
もう少し削ると、痛い部分がでてきました。蹄の後ろ(かかと)の方が痛いんですね。
痛いところで立たないように、先の方は平らに削って立ちやすくします。
内側の蹄はあまり削らず、高さを揃えます。
それから、外側の蹄のつま先で立てるように、痛いところをたくさん削って低く(小さく)します。立っている時に痛いところが地面につかないようにするんです。
立った時触らないような形にしてあげると、痛みが減るので歩きやすくなります。
これで終わり。立たせて牛舎に戻してみましょう。
あー。歩き方がだいぶ良くはなったけど、やっぱりまだまだ痛いみたい。もっと痛いところをたくさん削ればよかったかな…。
まー、ひとまずこれで回復を待ちましょう。
お疲れ様でした。