山羊の人工授精チャレンジ ~精液の性状~

山羊の精液についての調査

私の目標は凍結精液での現場でできる人工授精です。
しかし、まずは受胎率の高い液状精液での人工授精も考えはじめたので、
山羊の精液について調べてみました。
(液状精液での受胎率60~70%、凍結液精液での受胎率20~30%)

まずはじめに精液が正常かどうか検査をする

液状精液は、雄山羊から精液採取した後、はじめに精液が正常か検査をします。
そして液状保存用希釈液で薄めて、2時間程度かけて4~5℃に温度を下げます。
その後、遮光して冷蔵庫で保存して、人工授精に利用します。

日数経過による状態変化

1週間保存は可能ですが、3日間以内に使用すると良好な受胎率が期待できるとのことです。
実際、私は長野支場に研修に行ったときに、2頭の雄の精液を、
3日目と5日目に顕微鏡で見せてもらいました。
3日目は2つとも精子の活力が良好でしたが、
5日目は1つは良好、もう一つは活力がかなり落ちていて、
人工授精では使用できない状態でした。

 

精液検査の方法

精液の検査は…

*肉眼的検査

・精液量 1ml (0.5~1.5ml)
・色   白色~クリーム色
・におい 無臭
・PH   6.8(6.4~7.1)
・雲霧状態 +++
・粘稠度 濃厚で粘稠
・活力概観 渦流
・比重 1.032~1.047 (平均 1.039)

*顕微鏡検査

・活力、生存率 90+++,90%以上
・精子数 20億/ml(11~40億/ml)
・奇形率 10%以内

 

*不良精液

・無精子のもの
・血液(精液がピンク)や尿、膿の混入
・精子の生存率、活力が極端に悪いもの
(新鮮精液で生存率が50%以下のもの。活力++以上のものが50%以下のもの)
・奇形率が極端に高いもの(山羊の平均奇形率は22%)
・PHが著しく酸性またはアルカリ性のもの

そして、
山羊さんはは家畜の中で精液量が最も少なく(平均1ml)
逆に最も精子濃度が濃く、精液量の約1/3を精子が占めています。

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