山羊の診療Diary 症例2「難産」(頭から出てきた場合)

*山羊の診療Diary症例2「難産」(頭から出てきた場合)

 

山羊のゆきちゃん(3歳の女の子)が出産しました。

 

わたしたち人間の赤ちゃんは頭から生まれてきます。

さてさて、山羊の赤ちゃんは頭から生まれてくるのかな?それともあしから生まれてくるのかな?

 

正解は 「前足から生まれる」です

 

山羊の正常な分娩でははじめに2本の前足が見えその間に鼻先が見えてきます。しかし、今回ゆきちゃんの赤ちゃんは頭から先に出てきてしまいました。頭から先に出てしまうとさあ大変。前足が引っかかり上手く生まれてくることができないのです。この場合、出産にお手伝いが必要になります。

 

出産シーンはこちら。

頭でふさがって前足を探せないときは、いったん手で頭を押し戻し前足2本を探り出す

今回、すぐに前足が見つかり引き出すことが出来ましたが、頭でふさがって前足を探せないときは、いったん手で頭を押し戻して前足2本を探り出しましょう。そして、頭が足の間に入るように位置を修正してから前足をつかんで、お母さん山羊の陣痛に合わせて引っ張ります。

そして、子山羊が生まれたらすぐに羊膜を破り、鼻や口のまわりを拭い呼吸を確認します。羊水を飲んでしまい呼吸が確認できない場合は体を逆さまにして軽く振り、鼻や口にたまっている羊水を吐きださせましょう。呼吸が確認できたら一安心。お母さんに赤ちゃんを渡すと体を舐めてお世話をはじめます。

この後ゆきちゃんは2頭の赤ちゃんを無事出産しました。

無事に出産した山羊

ゆきちゃんおつかれさまでした。

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