社長は、世界を作れる人。動物病院から、獣医療の新しい「世界」を作っていく

畜産に携わる人のためにと、「自分ごと」としてシステムを語る開発者の方

昨日、薬品会社の営業さんを通じて、とあるシステムを販売している会社と会合があった。

そのシステムは、センサーで牛の動きを感じ取って、行動の記録データを、畜産の生産性向上に利用するものだった。

このシステムの販売会社と開発会社は別会社で、開発側と販売側ひとりずつが席に着いた。

はじめ開発者の方は、いわば外注先のような立場なのだと思っていたが、「私たちが始めた頃は… 」と、このシステムに関する話を完全なる自分ごととして語る。その姿が印象的だったので、僕は聞きました。

「このシステムを着想して始めたのは、○○さんだったんですか?」と。

予想に反して「いや社長は別にいます。」と、彼は言いました。

さらに「社長はどんな人なんですか?」

と聞くと、「社長は、コンセプトを作るのがとても上手な人なんですよ。その社長は前職で、畜産関係の営業をしていました。そこで、いけると思った事業を組み立てるために、必要なパーツを揃えていった。彼の描く世界を実現するために、技術者が必要であり、営業が必要であり、出資者が必要であり、研究者が必要であったんです。

そういうのを組み立てる才能のある人です。社長はパーツを一つ一つ集めて、彼の描いた世界を作っているんです。」

そして続けて言います。

「そしてこのシステムを使ったら、畜産は絶対に良くなるに決まっています。

作りたい世界はみなさんと一緒ですよ。畜産に携わる人が、手間なく成績を上げ、家族との時間を大切にすることが出来るようになる。そういう世界を作ろうとしているんです。」

この言葉には本当に驚いて、目が覚めた。

 

社長とは、世界を作れるひとのこと。ビジョンに人がついてくる

彼の目の前には明らかに、そういう世界が鮮やかに見えている。この会社が目指す世界。世界はこうだという事が、そこで働く人の目の前にありありと見えている。

そしてその世界観の鮮明さで、そこに僕らをも引き込もうとしている。

自然にこんな風になる過程は、どんな道のりだったのだろう。

そう考えているうちに気がついた。

社長とは、世界を作れる人の事だったんだ。

現状の世界に住みながら、次の理想世界を自ら創造し、それを語り、景色を人に見せる。そのために必要なことを整理しその世界に向かっていく手段を実行する。その描いた世界を固く信じることができればこそ大胆な行動もでき、結果も出せる。それが社長であり、事業である。

もしその世界が、個人1人だけが得する世界であれば、そこに向かっていく人に協力する気にはならない。それなら好きにやってくださいと言う事になる。

そうではなくて、もし社長の描くその世界が、聞く人も住みたい世界であれば、自然に協力する気にもなるだろう。そしてその中で自分が豊かに暮らせるのであれば、当然一緒に働きたいと思えるだろう。

今まで僕は、自分の持っているものが誰のどんな役に立つだろうか。と考える事はあったが、僕が新たな世界を創造しそこに連れて行く。と言う視点はまだなかった。口では顧客の為にとか、みんなが良くなるためにとか言っても、現在見えている世界の中で、どう上手くやるかという視点で動いていたのだ。

結局一番関心のある事は、そこで自分が売れるかどうか。自分が他と比べて優れているかどうか。そんな事にしか興味がなく、自分側からしか物事を見れていなかったのだ。相手視点を持とうと努力してはいても、表面的な、対処的なものになっていた。

だから、自分がこれをやって、本当に大丈夫だろうか。誰も賛同してくれなかったらどうしようか。仮に借金をして、その借金だけが残ったりした場合はどうだろうか。などと不安になったりもしたし、確信も持てなかった。

そういう不安は、今のコンセプトは結局自分よがりである事に、無意識下で気づいていたからだと思う。だからこれまでの僕には、なかなか人が集まらなかったのだ。世界観が曖昧だったからだ。

そこに気がついた事で、僕は1つ次のステップに進めた気がした。

 

開業して6年。動物病院から、獣医療の新しい「世界」を作っていく

僕の創造する世界が自分にも、相手にも良いものだと確信があって、その世界を共有できたなら、あとは実行するのみである。自然に協力者も集まるだろう。

ひとつ気がついたものの、まだ完全な世界観を創造できたわけでは当然ない。加えて他者視点より自己視点の方がまだまだ強い。

いきなり完璧にはならなくとも、これからは少なくとも、誰かより優れていて賞賛される「自分」を作るのではなく、自分が住みたい「世界」を作ろうと思う。

これからの僕が作る動物病院は、どんな世界を創れるんだろうか。これからの僕は、どんな獣医療を創れるんだろうか。

開業して6年、今さらながら、世界を創造するスタートに立ったのかもしれない。

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