2章 動物の体を理解して上手に飼う

飼育者は動物をうまく飼えるようになるために、新人獣医は自信をもって診断するために、動物がどういうものか理解しましょう。
この章ではさまざま角度から動物の体を解説していきます。

1.動物の基本生理


(1)生体も物体であると理解する


まずはじめに、動物の体も「物体」だということを理解する必要があります。
動物もヒトと同じ環境に居て、同じ物理法則の中にいます。同じ重力、空気の組成、温度、などの影響下にあるのです。
どういうことかというと、
例えば体は熱を与えなければ勝手に体温が下がります。体温が一定に保たれているのは常に熱を加えているからです。風呂のお湯が追い焚きし続けなければ冷めるのと同じです。気温が低ければ、維持のために燃料が必要になります。
また例えば体は重力の影響を受け、体重を肢で支えています。肢が一本折れたら他の肢にかかる負担が増えます。接地面が広くなればそれぞれの足にかかる圧力が減り、狭くなれば増えます。
水中では、浮力が働くため肢にかかる重さが減ります。

当たり前のことを書きましたが、多くの人は動物相手になると途端に当たり前に考えるのが難しくなるようです。ですからこの当たり前を、特に注意して意識してください。
まずは生体も物体であると普通に考えられることが大切です。

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