この島に来る前に、病を抱える大好きな恩師に会いに行った。
「あなたに次会える約束はできないの」と優しい声で言われたとき子供みたいに泣いてしまった。
先生の前では最後まで大人になれなかったわたし。
本当は誰とも明日の約束なんてできない。
どうぶつの命の誕生や死とともにある診療を通じていつも思うこと。
それでもなお
山羊小屋を出るとき、診療が終わったとき、最後に顔を見るときは
‘明日も元気に会えますように’
と瞬きとともに小さく祈る。
その日の夜に先生から送られた言葉。
「中略
新しい旅立ち 成功するようにお祈りしています。どこまでもご自分を信じて歩まれてください。きっと道は開かれます。そして、最後には、人のために少しだけ幸せを分けてあげてくださいな。心の母より!」
これが、最後にわたしのたどりつきたいところ。
まずは自分を信じてしっかり1人で立ちたいな。
やさしく、つよく。