12月にパンダちゃんが産んだ、子ヤギのよし坊の近況報告です。
よし坊、とっても元気です!!
おっぱいをぐんぐん飲み、草もヤギのえさも食べるようになりました。
ごはんまだー?
後ろ姿
日中は、放牧場を元気に走り回っているやんちゃなよし坊。
お母さんのパンダちゃんが心配しながらついてまわっています。
たてがみのような毛がふさふさしているのがよし坊のチャームポイント。
よし坊、このまま元気におっきくなあれ!!
ウィンク☆
12月にパンダちゃんが産んだ、子ヤギのよし坊の近況報告です。
よし坊、とっても元気です!!
おっぱいをぐんぐん飲み、草もヤギのえさも食べるようになりました。
ごはんまだー?
後ろ姿
日中は、放牧場を元気に走り回っているやんちゃなよし坊。
お母さんのパンダちゃんが心配しながらついてまわっています。
たてがみのような毛がふさふさしているのがよし坊のチャームポイント。
よし坊、このまま元気におっきくなあれ!!
ウィンク☆
山羊の診療Diary症例36 膣脱
今回のお話は・・・
「分娩が始まっているみたいだけど、赤ちゃんではなくて子宮がでてきているみたいにみえる。
ずっと、いきんで苦しそうだから診てほしい」
という連絡がありました。
すぐに、お電話をいただいたヤギ舎に向かいました。
すると、1頭のヤギさんが苦しそうに座り込んでいました。
ヤギさんを立たせて出ているものをしっかり確認しました。
立たせて、横から見たところ
後ろからみたところ
陰部から出ているのは、子宮でなくて膣でした。
そして子宮外口部がはっきり見えますが、ここが開いていないのでまだ分娩もはじまっていませんでした。
これは「膣脱」です。
膣脱とは・・・
膣の一部、または全部が反転して陰部から出てしまった状態をいいます。
出てしまった膣はヤギさんが立つと元に戻ることもあります。
膣が戻らずに出っぱなしになってしまうと、膣が汚れてしまい細菌感染を起こしたり、
またおしっこの通り道を圧迫しておしっこを出せなくなり危険な状態になります。
自然に戻らない膣脱をほっとくと、むくんでしまい中に戻すのが難しくなるので、
見つけた時には、早めに獣医さんに相談してくださいね。
膣脱は、分娩前と分娩後、どちらにも起こります。
分娩前は、もうすぐ分娩という妊娠後期に子宮が大きくなりこの圧迫で膣が出てしまいます。
産後は、難産の後に無理な力がかかった場合に起こりやすくなります。
膣脱は、太りすぎたり、運動不足、高齢などで赤ちゃんの通り道の筋肉が
衰えてしまうことが要因になるので、
妊娠中も運動できる環境を作ってあげると予防になります。
膣脱の治療です。
はじめに、ぬるま湯で出ていた膣の部分を洗います。
そして、ローションをつけて少しづつ、膣を陰部の中に戻していきます。
戻したときに、大量のおしっこが出ました。
出ていた膣が尿道を圧迫しして、おしっこを出すことができなくなっていました。
おしっこができなくて、これはとても苦しかったと思います。
膣を正常な位置に戻せましたが、膣脱が一度、起こるとすぐにまた出やすい状態にあるので縫い縮める必要がありました。
はじめに神経ブロックで局所麻酔をしました。肛門の横の窪んでいるところから針を刺して、脊椎からでている神経を麻酔します。
そして、18Gの注射針を利用して、巾着縫合を行いました。
このまま、分娩の始まる日をまって、分娩がはじまったら糸を切ります。
最後に、感染の可能性を考えて抗生物質の注射を打ちました。
縫合が終わって、落ち着くと、このヤギさんはすぐに草をもりもり食べはじめました。
その姿を見て、ほっと一息。
おしっこが出なくて、出そうといきむとますます膣が飛び出すという状態で
だいぶ苦しかったと思います。
このまま、分娩の日まで膣が出ないように飼い主さんにはよく観察していただくことをお願いしました。
元気な赤ちゃんヤギさんが産まれますように!!
子ヤギが産まれました!! パンダちゃん編
以前ヤギの人工授精チャレンジでご紹介した、
発情同期化のクリーム法での発情時に妊娠したパンダちゃん。
12月の終わりに
男の子の赤ちゃんヤギを無事出産しました。
パンダちゃんは身体が小さく、予定日の前にはお腹がぱんぱんになっていました。
その為、自然分娩で産めるか心配しており、予定日が過ぎた場合や、
自分で産めないと判断した場合は、帝王切開を考えていました。
分娩当日、陣痛が始まっているとご連絡をいただき、
かけつけてみると、あしは出ていましたが、とても苦しそうにパンダちゃんがうめいており、分娩が進まない状態になっていました。
手を入れて確認すると、胎位は正常でした。
しかし、頭が子宮の入り口をすでに通っていましたが、最後の陰部のところから自力では出せないようでした。
そこで、お産の介助をすることにしました。
両前足に、ひもをつけてから、いったん押し戻して、手を頭の上に添えて、ひっぱりました。
分娩直後の写真です。パンダちゃんお疲れさまでした。
この子ヤギさんはヤギ牧場のお隣のマンゴー園のオーナーさんのお誕生日に産まれて、
とても喜んでいただいたので、名前はオーナーさんのお名前をいただき「よし坊」になりました。
よし坊は産まれた時、小さなヤギさんでしたが、
とてもやる気があり、おっぱいをぐんぐん飲んで元気に育っています。
ぱんだちゃんもはじめ牧場に来た時、
人がいなくなるとめーめーずっと泣いているさみしがり屋のヤギさんでしたが
すっかり、子育て上手のお母さんになりました。
春になって、パンダちゃんとよし坊が牧場を元気に走っている姿を見るのが今から楽しみです!!
今回ご紹介する絵本は「やぎのめーどん」です。
やぎのめーどんと小さな女の子が山で過ごす1日を描いた本です。
「おはよう めーどん めーめーどん
やまにいこうよめーめーどん」
女の子の楽しい気持ちをのせて文章がリズムカルにつづられています。
太陽や風を感じたり、一緒に草を食べてみたり、しあわせをそっと仲間にわけてあげたり・・・
こんな風に気持ちをはずませて歌うように暮らす1日をやぎと一緒に過ごしてみたいな。
私の住む島ではこのような光景やヤギとの暮らしが昔はもっと日常に見られたのかもしれません。
なぜなら、牛ややぎの診療で伺うとおじいやおばあが、
「昔はヤギがいてね・・・」
と楽しそうにお話してくれることがあるのです。昔は一緒にやぎと山へ行ったのかな。
今度、お話をきいてみよう!
そして、
絵本の中の絵は迫力ある絵なのですが、
私は本を開いたときに表紙の裏にある
落書きみたいな絵がとても好きです。
きっとこの主人公の女の子のお絵かきの絵なのかな。
やぎと女の子がダンスしています。
小さい頃はこんな風に、気持ちや夢を絵にのせて描けていたのかもしれません。
それが私の心を懐かしい気持ちのさせるのでしょうか。
どうぶつとの日々の暮らしの「幸せのカケラ」がちりばめられた絵本です。
「やぎのめーどん」
たかくあけみ さく
福音館書店
山羊の人工授精チャレンジ ~膣内クリーム法を現場でやってみよう! 結果~
前回の続きです。
前回ご紹介した手作りのスポンジとホルモン入りのクリームをシリンジを使って挿入しました。
そして、論文通りに11日目にPMSGの注射を打ち12日目にスポンジを抜去しました。
スポンジが抜けないか心配でしたが、みんなしっかり入っていました。
次回改善したいなと思った点は、糸がスポンジにつながっている糸が透明だったため、
毎日抜けていなかったかチェックする際、とても見づらかったことです。
次回は色をつけておしりを確認したらすぐわかるようにしたいなと思いました。
12日目のスポンジを抜くときに中に残らないように、ジェルを塗布しました。
スポンジを抜いた日に雄山羊を一緒にしました。
発情兆候は抜いて3日目に一番よくわかりました。
5日間一緒にして、40日目にエコーで妊娠鑑定を行いました。
7月に発情同期化を行ったのは6頭です。
1.らぶ
2.かたちゃん
3.キキ
4.くにちゃん
5.こゆき
6.パンダ
結果は・・・
妊娠したのは1頭、パンダだけでした。
発情兆候はみんなきれいに見えていたのに、残念。
反省点として、この時の雄山羊のだいわくんがあまりやる気がでない感じで
女の子が近づいて行っても、のんびりしていました。
これは、だいわくんが悪いわけでなく、雄山羊は1年中発情することはできますが、
やはり繁殖シーズンの方がやる気も元気もあるから仕方のないことです。
そこで、次は別の雄山羊に変えて、さらに2頭一緒にしてみることにしました。
8月は前回妊娠しなかった5頭の発情同期化を行いました。
1.らぶ
2.かたちゃん
3.キキ
4.くにちゃん
5.こゆき
結果は・・・
今度は、かたちゃん、キキ、こゆきの3頭が妊娠しました!!
2クールで6頭中4頭が妊娠することができました。
クリーム法での発情同期化は現場でも発情兆候もわかりやす上手くいきました。
今後、2つのことを引き続きチャレンジしていきたいと思います。
1.妊娠していない2頭はこのクリーム法に合わせて、人工授精を組み合わせて
妊娠を目指す。
2.来年度は分娩後、発情同期化を早めにして2年3産を目指す。
そして、
はじめに妊娠したパンダがもうすぐ分娩です。
予定日はクリスマスです。
お腹がだいぶ大きくなりました。
元気な赤ちゃんを産んでね!!
今回は、今年の夏に試してみた、発情同期化のお話です。
今まで、人工授精チャレンジでは、ホルモン剤の注射のみで定時人工授精ができないか試していました。しかし、発情は明瞭にわかるものの妊娠に結びつかず、ホルモンの調整などまだしばらく実用化するのに時間がかかりそうでした。
そこでまずはすでに確立されている「膣内クリーム法」での同期化を現場で活用できるかやってみることにしました。
ヒツジの発情同期化の方法の論文を参考にして行いました。
参考文献はこちらです。
「めん羊の発情誘起 ~膣内クリーム法」河野 博英 著
膣内クリーム法とは、現在牛の繁殖治療で行われているCIDERと原理は一緒です。
CIDERはシリコン製器具の中に黄体ホルモンが含まれています。
黄体ホルモンを膣の中に一定期間挿入しておくと、人工黄体として機能します。
これを除去すると、いくつかのホルモンが作用して、卵胞が発育して発情がおきます。
海外では、ヤギ用のCIDERが販売されていますが、日本では入手することができません。
膣内クリーム法は手作りでこのCIDERを作るような感じです。
クリームの中に黄体ホルモンを練りこみ、このクリームとスポンジを膣内に入れて、一定期間挿入した後にスポンジを抜きます。
今回は、使った器具の紹介をします。
1.アプリケーター
クリームとスポンジを膣に挿入する道具です。
注射のシリンジを使用しました。
2.スポンジ
クリームを膣内にとどめておくものです。
食器用のスポンジの固い部分をはがして使用しました。
スポンジの真ん中にモノフィラメントの糸を巻き付けて、膣から引き抜けるようにしました。
ヤギさんの大きさに合わせていろいろ作ってみました!
3.膣内クリーム
抗菌剤入りのクリームに。黄体ホルモンをすり潰し練りこみました。
完成してクリームを前に入れるだけのものはこちらです。
次回は、実際にヤギさんたちに使用してみたお話と結果についてです!!
これから、時々どうぶつの本や絵本をご紹介したいと思います。
やっぱり、はじめはやぎさんの絵本。
今回ご紹介する本は「やぎのグッドウィン」です。
どんなお話かというと・・・
のうふのマックダッフさんに可愛がられているやぎのグッドウィン。
グッドウィンには秘密があって、
ごみばこのものをくちゃくちゃかむのが大好きなのです。
これが思わぬ騒動を引き起こす・・・というお話です。
獣医としては、
「ごみをくちゃくちゃするのが大好きなやぎ」なんてとてもおそろしい!!
のどやお腹につまらせる・・・とか
中毒になってしまうのではないかなどなどこわーい想像がふくらむところですが、
もちろんそんなことはこの絵本の中では起こりません。
(実際はヤギさんのごみ箱や餌箱のいたずらには気を付けてくださいね!!)
やぎのグッドウィンは物語の始めから終わりまで、
素直に自分の気持ちで動いて、ごきげんに暮らしています。
興味がある、やってみたい、こんなの嫌だ!
いろいろな気持ちをそのままに、もちろん、周りの目なんて気にしないで。
それとは対照的に絵本の中に出てくる人たちは
時に大切なものや価値を自分の気持ちではなく、
周りの評価や基準で決めてしまっているように感じました。
そればかりでなく、
あなたのため、あなたを大切に思っているからと
「あなた」という言葉を免罪符に、
相手を縛り付けてしまったり、
自分の欲求を叶えようとしたり・・・
その結果、大切なものを大切にするつもりがなくしてしまったり、
自分の気持ちと離れたことをやってしまったり…。
でもまたそこに気が付いて、もう一度やりなおしたり、その相手の気持ちを感じて感動するのも人間なんですね。人間はごちゃまぜで時にめんどくさい。
グッドウィンは物語を通していつも変わらず自分の思いに忠実に生き生きとした表情をしています。
ほんとうの気持ちとズレなければこんな風にいられるのかな。
たとえどんなことがおこっても。
「ただの出来事」を「騒動」にするのはいつも人間なのかもしれません。
その他にも、
やぎとの暮らしの中で、やぎってこんなことするよね!とクスッと思わず笑ってしまったり、
だれかに可愛がられていても、「それでも」という言葉に繋がる「ひとりぼっち」に思いをはせてみたり、
仲良くなる、繋がる瞬間だったり、
シンプルな線に色彩がのった絵も素敵で
読み返す度に、
その時々に心に触れる言葉やシーンが見つかり、
また、自分自身にも問いを立ててくれる
何度でも読み返したくなる絵本です。
「やぎのグッドウィン」
ドン・フリーマン さく
こみやま ゆう やく
福音館書店
山羊の診療Diary症例35 中手骨の骨折②
今回のお話は、前回の続きになります。
左前足の中手骨を骨折してしまったおおちゃん。
副木とテープで仮に固定をし、次の日にギブスで固定することになりました。
まずはじめに、昨日仮で固定した副木とテープを外しました。
確認すすると、やはり中手骨が折れて、ガタガタしています。
はじめに「オルテックス」というギブス用包帯を巻きます。
これは、ふわふわした綿のようなもので、
ポリエステルとレーヨンの混紡で、肌触り・吸湿性に優れていてクッションの役目をします。
また、手で簡単に切れるので使いやすく、色が青いのでギブスをとる際に目印になります。
足先まで巻いたら、次に「スコッチキャスト」を巻いてギブス固定をします。
これは水で硬化させるキャスティングテープです。
素材はガラス繊維にポリウレタン樹脂を含浸させたもので、水に浸すと固まります。
石膏ギブスのような固定ができます。
ベタベタと接着するので必ず手袋をつけて行います。
素手では触らないようにしてくださいね。
そして、袋から出すと、どんどん固まってきてしまうので時間との勝負。
しっかり巻いた後は、お水をつけるとさらに固くします。
無事にギブス固定ができました。
しっかり固まっているので、足をついて歩けるようでした。
そして、3週間後・・・
ギブスを外しました。
外して骨折部位を確認するとしっかりとくっついていました。
立たせてみると、足を少し上げていましたが、このままリハビリもかねて様子を見ることになりました。
その後、飼い主さんからご連絡があり、徐々に足も地面について元気にしているというお話でした。
さらに1か月後・・・
診療の途中でおおちゃんのおうちのそばを通りかかったので、
「おおちゃーん!」
と声をかけると・・・
こちらに元気に歩いてきてくれました。
おっ!足も地面につけるようになっているね!
良かった、良かった。
これで広い放牧場で元気に遊べるね。
山羊の診療Diary症例35 中手骨の骨折①
今回のお話は、・・・
「前足を上にあげてびっこひいているので診療してほしい。」
というご連絡が来ました。
早速、ヤギさんたちがいる放牧場に行ってみると、
1頭だけゆっくり前肢をあげて最後にそばに来たヤギさんがいました。
近くに来てくれたおおちゃん。左の前足を上にあげています。
飼い主さんにお話を伺うと
女の子のヤギのおおちゃんは、今朝、放牧場のフェンスにに足が挟まっていたそうです。
すぐに、おおちゃんの足を外して助けてあげたそうですが、その時から左の足をあげて歩いているという事でした。
食欲はあり、声をかけるといつも通り来るという事でした。
この放牧場は、草原の中に、大きなガジュマルの木があり、琉球石灰岩で作った岩山もあります。
岩山はヤギさんたちの遊び場になっていて、
大きなガジュマルは木陰を作り、みんなの休憩所になっていました。
近くをよく診療で通りかかるので、いつもヤギさんたちが気持ちよさそうに暮らしているなと思ってみていました。
ヤギさんたちが岩山に昇っています。
おおちゃんを飼い主さんにおさえてもらって、左前足を触診してみると
触った瞬間「折れている!」ということがはっきりわかりました。
肢をよく見ても傷もななく骨も飛び出したりという事はありませんでした
場所は、中手骨で触ると折れた骨がこすれるざらざらする感触が伝わってきます。
開放性の骨折ではなかったので、ギブスで固定して治療することになりました。
しかし、この時、診療車にギブスなどが載ってなかったので、
今日は応急処置の固定をすることになりました。
はじめに足をまげて固定してみました。
これは、犬の前肢の骨折のときの包帯法「ベルポースリング法」という方法です。
牛の上腕骨折の治療で使用している例もあり、ヤギの治療でも有用なのではと考えたからです。
これなら、足を地面につくことがなく、骨折した部分に負重がかからずにすみます。
しかし、固定はうまくできたものの今回は中手骨の骨折だった為、関節を曲げたままにしておくよりも伸ばして固定したほうが良いのではと考え直し、全部外してやり直すことにしました。
足を伸ばして、段ボールで副木を作って布テープで固定しました。
この布テープは、ホームセンターで売っているものですが診療でよく使います。
水や汚れに強くて、しっかりくっつくのにはがすときはきれいに剥がれます。
(牛の臍ヘルニアのときおなかに巻いたり、関節炎の時にも足に巻いてりして使っています)
副木とテープで固定が終わると、足先を下について立っていました。
あまり今は、この足に負重をかけて欲しくないのですが、
治療が終わると、岩山のみんなのところに一生懸命登っていきました。
感染がおこらないように抗生物質のお注射を打って、明日ギブスを巻きなおすことになりました。
次回は、ギブスでの固定のお話です。
つづく。
今回のお話は・・・
まいぱり熱帯果樹園のヤギのペーターくんがお引越しすることになりました。
私たちは先春、まいぱり熱帯果樹園のヤギのはなこちゃんが3つ子を出産し、クララ・ハイジ・ペーターと名付けられ、ヤギ担当の方が一生懸命育てていたのを見てきました。健康チェック、駆虫なども済ませてお引越し前の準備は万全でした。
そしてお引越し先のご家族の方から、
初めてヤギと暮らすので相談したいという依頼が来ました。
お伺いしてみると・・・
まだ、お引越ししてから1週間、
すっかり子供たちと仲良しになっているペーターくんが待っていました。
到着するなり、子供たちがペーターくんのことをいっぱい教えてくれます。
一緒にお散歩してるんだよ。
走るととっても早いんだよ。
でも、好きな草があると歩いてくれないの。
あの木の葉っぱ全部食べちゃった。
ヤギには胃がいっぱいあるの?
トマトは食べたらだめですか?
と元気にお話してくれます。
はじめに、お話を聞いて、ひとつずつ質問に答えました。
そして、ペーターくんが元気でいられるように、
健康チェックを一緒にしました。
まずはお熱の測り方。
おしりから優しく体温計をいれてあげてね。
お母さまから
体温計は人間用ので大丈夫ですか?
というご質問があり、
「測るのは人間用ので大丈夫です。
ペーターくん用に一つあると良いと思います」とお答えしました。
次は心臓の音を聞いてみてもらいました。
ヤギさんがどんな風だったら具合が悪いのかのお話をしました。
この後、ペーターくんとお散歩しながら、
ペーターくんのおうちを見せてもらいました。
そこには・・・
立派な表札が!!
これは、まいぱりのヤギの担当の方がお別れの時にプレゼントしてくれたそうです。
そしてペーターくんのお家はこちら。
屋根が上から開くようになっていて、掃除や換気がしやすいつくりになっていました。
床が高床でないので雨の時のことを伺うと、
雨の日はガレージに行くという事でした。
この後、
ペーターくんが何を食べているのか伺いました。
ヤギ用飼料、オーツヘイ、野草というお話でした。
ごはんはバランスよくあげられていて、体格も問題ないとお話ししました。
アドバイスとして草を2種類以上あげていただくことにしました。
そして、お庭にある、草木の中でヤギさんの好きな草木を子供たちと一緒に探しました。
はじめてヤギと暮らすという事でしたが、こちらのお父様は先日、まいぱり熱帯果樹園で開催した勉強会にも参加されていました。
またお子さんたちも、すっかりヤギが大好きになり、勉強会の資料を読んだり、インターネットでいろいろ調べてくれたりしていたので、すでにヤギについてとっても詳しくなっています。ですから大きな問題もなく、改善点はありませんでした。
病院ではこのような、飼養相談の依頼も受けています。なぜなら、病気にならないことが一番だと思うからです。
そのためにまずヤギがどんな動物か知ることからです!
ご家族でお休みの日にペーターくんとお散歩するのが楽しみだそうです。
そして、女の子のヤギさんを迎えて、いずれは赤ちゃんに会いたいとお話されていました。
ペーターくん。ご家族様。元気に楽しく暮らしてくださいね!!