山羊の診療note10 ヤギの島野草セット
ここ最近、分娩前のゆりるちゃんがが下痢と食欲不振で治療を続けていました。
基本の治療を行ったもののなかなか改善されず、食欲が日に日に落ちてきて飼い主さんもとても心配されていました。
どうにかゆりるちゃんにごはんを食べてもらおうと、私たちの住む島に生えている野草でヤギさんが好きなものを集めて診療の時に持っていきました。
ヤギの島野草セットです。
今回用意した島野草は
がじゅまる
バナナの葉っぱ
センダングサ
センネンボク
オオバギ
ハイビスカス
食欲がない動物にごはんを食べてもらいたいときは、与え方に小さなコツがあります。
食べやすいように小さく切ってあげて、手でお口の前までそっと差し出してあげると、
ただ目の前のお皿に置いておくだけより食べてくれることがあります。
手の平に乗せる、手でお口の前に持って行ってあげる・・・
手であげるのがポイントです。
この手であげるごはんの上げ方は、犬と猫の病院で働いているときに先輩の女性の獣医さんから教えていただきました。
そして、特に飼い主さんにお願いすると動物も安心して食べるようです。
(犬や猫のごはんの場合はさらに温めて匂いをたててあげると良いです)
ある時、入院したヤギさんに思い出してやってみたら、特にガジュマルの新芽の小さい葉っぱを手であげると1枚づつ食べていました。。
やはり元気がないときは大きい葉っぱは食べにくいようでした。
またある時は、1枚食べ始めるとそこから食欲が出てくるヤギさんもいました。
この経験から犬猫だけでなくヤギさんにも効果がありそうなので、食欲のない場合、診療中に私がやってみて飼い主さんにお願いしています。
ヤギさんによってそれぞれ好みの葉っぱが違ったり、昨日までは好きだったのにの急に違うものが食べたいヤギさんもいるので、食欲がないときには何種類かの草を試してみると良いと思います。
今回もゆりるちゃんに一つずつお口の前に持っていってあげてみました。
どの葉っぱが好きかな?
人気の小さなガジュマルの葉っぱはどうですか?
「食べたくない」
センダングサのお花はどうですか?葉っぱもおいしいけど
病気の時はお花ばっかり食べる子がいましたよ。
「食べたくない」
せんねんぼくはどうですか?
しゃきしゃきのはごたえですよー。
「はじめて食べるからちょっとだけ。
でもそんなにいらない。
少しだけたべてみる。
ハイビスカスは全然食べたくない。」
では、最後にオオバギは?
葉っぱが大きいから小さくすると、少しずつ食べはじめました。
なぜか、葉っぱよりも茎が好きな様子。
点滴の治療が終わると、少し気分がよくなったようで、茎と今度は乾草を少し食べてくれました。
わたしが帰った後、近所の方がお芋のつると葉っぱをもってきてくれて、
ゆりるちゃんは少し食べはじめたとのうれしい知らせが届きました。
基本の下痢の治療、輸血・輸液の治療の効果、そして好きな草もみつかり食欲が戻って本当に良かった。
ゆりるちゃんは今回、茎を好んで食べてくれました。
この後、ゆりるちゃんは出産に挑むことになりますが、このお話はまた改めて。次回はヤギの栄養の話をします。
〉〉ゆりるちゃんは島の民宿のヤギさんです。
あがりの宿さんさーら公式ホームページ