山羊の診療Diary症例30 乳頭の皮膚にできた膿疱

山羊の診療Diary症例30 乳頭の皮膚にできた膿疱

今回の症例は・・・
「出産した母ヤギのおっぱいが腫れているように見える今朝から、子ヤギがおっぱいを飲もうとすると足で蹴って
嫌がっているみたい。」
というご連絡がありました。

産後で乳房が痛そうという事で、乳房炎や乳頭損傷の可能性を考えながら、早速診療に伺いました。

お母さん山羊の星ちゃんは22日前に出産したとのことです。
星ちゃんのそばには元気な男の子と女の子の双子の子ヤギちゃんがいました。

飼い主さんに詳しくお話を伺うと、
昨日から、食欲はあるけれどいつもより元気がなく座っていることが多いとのことでした。

お熱を測ると、微熱でした。全身状態は良好です。
食欲も、乾草を診察中ももりもり食べていました。

乳頭の診察をしてみると、左右の乳頭にぶつぶつができていました。


針を刺してみると、白い膿が排出されました。


乳房自体は腫脹や熱感などはありませんでした。

治療は、
抗生物質を1週間投与、
そして、乳頭の刺激を減らすため、母ヤギさんから子ヤギさんを離す時間を作ってもらい、その間は人工哺乳をしていただくことにしました。

乳頭にいくつもの膿疱ができるのはヤギそして牛でも経験がないため、
詳しい病態については不明なままでしたが、まずは膿疱の基本の治療からはじめて見ることにしました。
乳頭の子ヤギさんの哺乳などで小さな傷ができ化膿してできた膿疱なら抗生剤の投与で改善されるのではと考えています。
しかし、基礎疾患やほかの原因の場合は、哺乳が維持できるような違う治療も考えなければと思っています。
人では無菌性の膿疱もあるようです。
このような症例を経験されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。

また経過はご報告したいと思います。

Leave a Reply

Your email address will not be published.