研修レポート① 子山羊の人工哺乳

子山羊の人工哺乳・飼育管理についてレポート

今回は子山羊の人工哺乳についてレポートします。

おかえりー!!と牧場のみなさんに迎えていただき、またここに戻ってこれたうれしさで胸がいっぱいになりました。

はじめて私が「家畜改良センター茨城牧場長野支場」(以下長野支場)に伺ったのは
去年の11月でした。飼養管理や削蹄、人工授精を学ぶために個別研修で伺いました。
そのとき学んだことは今の診療のベースになっています。

そして、今回の私の目的は子山羊の飼養管理について学ぶことでした。
1月に生まれた子山羊たちとの悲しいお別れがあり、
何か改善できることがあるのかもしれないと思ったのがきっかけでした。
人工哺乳の仕方や環境、母山羊たちの状態などなど、今後のヒントになることを
見つけて帰りたい!!と意気込んで長野に戻ってきたのでした。

早速、子山羊さんたちのもとへ向かうと・・・
みるくちょうだいー!!

ミルクを飲む子山羊

お腹を空かせた子山羊さんたちがたくさん待っていました。

今年は、私が実習に伺った時点で64頭の子山羊が元気に生まれていました。
今年の長野牧場の出産のピークは3月のはじめから中旬で、例年に比べて、
双子や3つ子が多く、また難産や助産は少なかったそうです。

出産や生まれた子山羊さんたちについては管理表があり、一目でわかるようになっていました。
飼育している山羊の数が多い場合このような管理表は便利で大切になってくると思います。

哺乳瓶ではなく、カップで子山羊にミルクを人工哺乳

ここでは、生まれてすぐ子山羊を母山羊から離して人工哺乳にしています。

ミルクのあげ方は、ほ乳瓶ではなくカップを使っていました。
子山羊の数が多いので10頭一緒に飲ませられるようになっていました。

カップでミルクを飲む子山羊

カップで飲ませるコツは・・・
「生まれてからすぐ子山羊がお母さん山羊の乳首を吸う前に、お母さん山羊から離すこと」

こうすると、子山羊たちはすぐにカップからミルクを飲みはじめるそうです。
(すでにお母さんのおっぱいを飲みはじめた場合、カップでは自分からは飲まないので
飲み方を教えてあげる必要があります。)

カップでミルクを飲む子山羊

ミルクは生後3日目までは初乳を1日3回。
この初乳はすでにお母さん山羊たちから搾乳して凍らせてあるのを解凍してあげていました。

解凍させたヤギミルク

3日目以降は、搾乳したミルクを40度に温めて1日2回。

搾乳のミルクの量が足りないときは粉末の山羊ミルクを追加していました。

子山羊さんたちは生まれた日齢ごとにグループ分けされていて、ミルクの量も管理されています。
また、ミルクを飲んでいるときは、健康チェックの時間でもあります。
飲む量や、お尻のまわりをみて下痢をしていないかなどを確認しました。

ミルクを飲んだ後は外の運動場へ。
人工哺乳で育てるととっても人に慣れるので・・・

こんな風に私が走るとみんなついてくるのでした!!

子山羊たちは昼間の間はここで遊んだり、くっついてお昼寝をしていました。遊んだり昼寝をする子山羊たち

子山羊の人工哺乳・飼育管理の感想

*感想
・ミルクの温度はとても重要。
(ミルクの温度が下がると飲まない子山羊さんがいました。温め直してあげるとしっかり飲みました)

・子山羊の数が多い場合、ほ乳瓶の人工哺乳よりもカップの哺乳の方が簡単にできる。

・人工哺乳は健康状態がよくわかる。
(ミルクを飲む量が把握でき、飲んでいる時にその子の様子を観察できる)

・人工哺乳をするとよく人に慣れる。
(その後の管理や病気になったときの治療がしやすい)

長野支場では子山羊の数が多いにも関わらず、下痢や肺炎など体調を崩している子山羊が少なかったことに私はとても驚きました。今回の実習で学んだ子山羊の人工哺乳や初乳の給与、飼養管理を今後、島に帰って活かしていきたいと思います。

<写真と映像は全て「家畜改良センター茨城牧場長野支場にて撮影>

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