山羊の診療note6-② ヤギの去勢について (精巣の解剖学)

以前、山羊の診療note6山羊の診療note6でヤギの去勢についてお話しましたが、
今回は、精巣の構造を詳しく見ていきたいと思います。

精巣は左右別々に陰嚢という袋に2つ入っています。
陰嚢中隔で左右に分かれています。

陰嚢を切開すると精巣は精巣鞘膜という膜に包まれています。

精巣鞘膜をメスで切ってめくるとこのような状態になります。

精巣鞘膜は一部、精巣上体尾部に付着しているのでここをはがすと
きれいに露出することができます。

*陰嚢
ヤギの陰嚢は身体の外に垂れ下がっていて、精巣が縦に収まっています。
牛や羊も同じスタイルです。

ちなみに・・・
猫や犬は体の外にありますが垂れ下がっていません。
イルカは身体の中に精巣があります。

精巣が体の外側に近い場所にあるのは、精子が作られるときの温度は身体の中の温度より
低めが良いからです。

体の中にあるイルカは大丈夫なのかな?と調べたところ、
背びれの静脈の温度が低くこの低い温度の静脈血が精巣のまわりにある静脈にきて冷やしているそうです。
生き物の身体の仕組みってすごいですね。

*精巣
精子と雄性ホルモンのテストステロンを作成しています。

ヤギの精巣は体の大きさに対して重量があります。

牛は精巣1つが300g~400g
ヤギは145g~150g

体の大きさはずいぶん違うのにヤギはおっきめなんです!
雄ヤギさんの足の間に存在感たっぷりにぶら下がっています。

*精巣上体
精巣で作られた精子はまだ未成熟で、精巣上体の中で成熟していきます。
精巣上体は未成熟な精子を運搬しながら濃縮・成熟・貯留を行います
頭部・体部・尾部の3つに分かれています。

*精管

精子は精巣→精巣上体→精管と移動していきます。

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