山羊の診療note3 「子山羊の人工哺乳」

ヤギの人工哺乳が必要なときと、良いところ

ミルク待ちの子山羊

ミルク待ちの子山羊。ひとが大好きになります。

お母さんのおっぱいを飲むのがやはり一番ですが、人工哺乳が必要な時があります。

たとえば・・・

  • お母さん山羊が亡くなってしまったとき
  • お母さん山羊が育児放棄してしまったとき
  • 母乳によって伝染する病気を防ぎたいとき
  • 双子以上の赤ちゃんが生まれて乳の量が足りないとき
  • 山羊の乳を利用したいとき

などです。

 

人工哺乳の良いところもあります

  • 子山羊がひとによく慣れ、大きくなっても扱いやすい。
  • 飲む量がわかるので健康管理に役立つ

などです。

 

母山羊のおっぱいと人工哺乳を併用。乳の飲ませ方

お母さんのおっぱいと人工哺乳を併用することも出来ます。

 

<飲ませ方>

生まれてから数日以内に人工乳とほ乳瓶の乳首に慣れさせる必要があります。

1.      舌先にミルクをほ乳瓶から垂らし味を覚えてもらう

2.      ほ乳瓶をくわえさせる

人間用のほ乳瓶の乳首は子山羊にとって少し短いのではじめはうまく飲めない子山羊もいます。そういうときは指を乳首に添わせたり、口周りをそっと抑えてあげてみてください。(山羊用の哺乳乳首もあります)

最初、慣れないうちはむせてしまうこともありますが慣れれば上手に飲めるようになります。

 

<ミルクの温度>

40度くらい

 

<ほ乳量/1日>

生後~3週間 体重の25%  *体重1kg あたり 250ml

生後4週   体重の20%  *体重1kg あたり 200ml

 

注意

・未熟児や体力のない子山羊、体調の悪いときは1回の量は減らして回数を増やすこと。

・代用乳(ヒトの粉ミルクなどを使用した場合)は軟便になりやすい。

 

<ほ乳回数>

生後3日間 1日3

生後4日目~ 1日2回

2 thoughts on “山羊の診療note3 「子山羊の人工哺乳」

  1. M.T.

    はじめまして。兵庫県でトカラヤギの繁殖に取り組んでいます、momofarmのM.T.と申します。

    いつも、ブログや本を参考にさせていただいており、大変助けられています。
    この度、可能であれば教えていただきたいことがありまして、ご連絡させて頂きました。

    ここ数年で、小ヤギの圧死が2回ありました。
    どちらも、生後3週間ほどで母ヤギが下敷きにして寝てしまった、というものです。

    家畜用ヒーターの大きいものをつけており、夜通しあかりはついています。また、小ヤギが母ヤギの下に潜っておっぱいを吸おうとする?様子があり、夜中何回か踏まれて出て来れず、鳴くたびに助けに行っていました。
    乳もよく飲み、体重も順調に増え、元気な子でした。

    寝床は小ヤギが母ヤギから逃げられる広さがあり、日中は自由放牧をしています。

    圧死を避ける方法や、原因、例など解決につながる方法があれば教えていただきたいです。

    個人でも、検索を色々としてみましたが、ヤギの圧死情報は、あまり出てきませんでした。

    お忙しい中かと承知の上ですが、お手隙の際で結構ですので、お知恵をお貸しいただければと思います。

    何卒よろしくお願い致します。

    Reply
    1. admin

       コメントありがとうございます。
       トカラヤギで圧死事故とのこと大変残念なことですね。
       トカラヤギの子どもはよほど小さいのでしょうか?それとも母ヤギが大きいのか、立つ時間が短いのか、どちらかが活力がないのか?3週間もすれば身体もしっかりして自力で逃げる事もできそうですけどね。どうなんでしょうね。

       まず、大変申し訳ありませんが私自身はヤギの圧死について経験がないので有意義な情報になるかわかりませんが、思いつく事を書いてみますね。

       私の経験の中に解決事例はありませんが、考えられる防止策としては、
      〈1,下敷きにならないよう床を工夫する〉
       床をふかふかに→下敷きになっても死なないように
       小さなベッド設置?→母ヤギの体のみ座れるように
       波トタンや子ヤギのみ通れるスノコ上で飼育→下敷きにならないように
       それぞれにデメリットはあると思いますし、どんな構造なら大丈夫かはやってみないとわかりません。やってみた方がいらっしゃいましたら教えて欲しいです

      〈2,空腹時間をコントロールする〉
       人工哺乳して空腹により長時間乳房の下に居る状況を避ける

      〈3,母ヤギを起立しやすくする〉
       母ヤギの蹄管理をする

      〈4,温度により眠る場所を誘導する〉
       寒い時は母ヤギに近寄って眠るかもしれません
       暑い時期は涼しい場所を好むかもしれません

      〈5.豚での方法〉
       ちなみに豚では、母豚の体を拘束して子豚が入らないようにしています。または母豚が起立したときのみ油圧で床に段差をつけたりするようです。
       また寒い時期は暖を取るために母豚に近づいて眠るため、母豚より温かい場所を作るといいそうです。夏の明け方も同様の理由で母体に近づくため、温度による誘導は冬に比べて難しくなるそうです。

       などが考えられますが、いずれにしてもしても行動をよく観察して、物理的に下敷きにならないよう工夫するか、母ヤギの下で寝ないように工夫するということだと思います。万全を期すなら別飼育するしかないかもしれません。仰るように子ヤギが自ら潜って窒素しに行くのであれば、自由にさせたままでは無理かなと思いますので「人が見ていない場所では一緒にしない」ようにするしかありませんね。

       しかし子ヤギの圧死が頻発するとのお話はあまり聞かれないので、知見も少ないのかと思います。
       読書の方で同様の事例を経験された方や、対処法をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひこちらに共有いただければと思います。

      散文で申し訳ありませんが、みなさんの考えるきっかけになれば幸いです。

      Reply

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