山羊の診療Diary 症例4「子山羊の跛行」

山羊の診療Diary 症例4「子山羊の跛行」

生後10日齢の女の子、はじめちゃんがあしを引きずっているという連絡がありました。
いつもよりミルクを飲む量が減っています。
最初にお熱を計って、全身状態の確認をします。体温は41.5℃でした。
山羊さんの平熱は39.5℃位なのでお熱があるようです。
次にはじめちゃんに歩いてもらいました。

やはり歩き方がいつもと様子が違います。
足を一本一本触って痛いところや骨折がないか確認します。
股関節が外れていないかも忘れずに確認。
骨折があるときは触ったときに非常に痛がります。
はじめちゃんの場合、
腰を伸ばしたときに痛そうな感じがみられました。
お熱があるので全身の感染症の可能性も考慮して抗生物質と痛み止めを注射しました。
次の日からはお薬を飲んでもらうことに。
足のびっこはまだ残るものの次の日には、食欲・元気が回復していました。

 

子山羊が足を引きずる原因

子山羊さんが足を引きずる原因として以下のようなものがあります。

原因)
①打撲やねんざ
②股関節脱臼
③骨折
④細菌感染による化膿性関節炎
⑤全身的な感染症・栄養障害

打撲やねんざの場合、安静にして消炎剤の塗布で数日で回復することが多いです。
股関節脱臼の場合は股関節をもとの位置に戻すことが必要なので
獣医さんに連絡してください。
骨折は固定できるところは副木などで固定します。骨の位置が大きく
ずれていなければ1か月くらいで骨はくっつき回復します。

 

子山羊はからだが軽く、骨折することが多いので注意が必要

若い山羊さんはからだが軽くて飛び跳ねた際に骨折することがよくあるので
注意が必要です。
また関節や全身の感染症で痛みが出る場合もあるので、痛そうにしている部分だけでを
観察するのでなく食欲や元気、お熱はないかなどからだ全体を観察してあげることが重要です。

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