12.記録すべき項目

繁殖和牛を飼育する際に発生する事務作業について触れます。まず当然のことながら、日常的に発生するイベントを記録しておかなければなりません。分娩、授精、発情、治療などです。
これらは健康管理、繁殖管理、経営や各種届出に必要なばかりでなく、授精師、獣医師、他取引先と円滑な取引をするために必要です。その際、最低限何をどう記録すればいいかを書きます。

記録方法で最も大切なのは、予定情報と記録情報を分けて管理することです。

まず個体台帳を作ります。すべての記録の元になるのは個体に紐づく情報で、基礎情報と経時記録に分かれます。多頭数飼う場合でも、牛では一頭ごとの履歴は重要です。
そして次に、予定表(カレンダー)です。その日1日にしなければならない作業を横断的に把握して実行するために、予定を書き込みます。

最低限この2種類で対応可能ですが、繁殖作業を独立させたい場合や、決算等で集計情報が必要な場合など、農場業務の実情に合わせて繁殖台帳や販売管理台帳を作ります。

(1)個体台帳


〈基礎情報〉
生涯変わらない、基本的な情報です。登録証の内容は基礎情報のひとつとしてまとめておきます。


・出生情報、導入時情報、母牛、生年月日、性別など。

〈経時記録〉
飼育の過程で起こるさまざまなイベントを経時的に記録していきます。


・治療や予防の履歴 (ワクチン、疾病、投薬、治療、去勢など)。
疾病の記録は、疾病多発時の原因究明に参考になります。また、畜産農家は食物生産者でもあり、薬剤の使用履歴を記録保管しておく義務もあります。


・成長の記録(生時体重、7日目体重など)。
成長の記録は、子牛の成長だけでなく母牛の乳量推定、種牛の評価、母牛の妊娠後期の栄養状態を評価など、飼料と生産に関わる業務改善に利用されます。


・繁殖と分娩の記録(分娩日、分娩の状態、発情、人工授精、妊娠鑑定など)。
繁殖の記録は、効率的に妊娠させるために必要です。繁殖成績の評価と改善にも利用されます。また生産に関する各種届出時にも必要です。

(2)予定表(カレンダー)

予防処置、取引先への依頼連絡、発情注目などすべての予定を記入しておきます。その日1日の作業を横断的に把握できるようにします。

(3)授精台帳、繁殖台帳

個体に紐づく情報ではありますが、繁殖に関する作業員が独立している場合や、非常に頭数が多い場合など、繁殖作業に関する情報を個体台帳と別に記録することがあります。

繁殖に関する作業を効率化するため、発情牛、人工授精、妊娠鑑定などを日付順に記録していきます。

(4)販売台帳

繁殖台帳と同様に個体に紐づく情報ではありますが、販売に関する情報は決算時などまとめて必要になるので、経時的に記録し独立させておいた方が良いでしょう。導入価格、販売価格、販売時の情報など。

(5)経費帳

消耗品費、地代家賃、水道光熱費、外注費、給与賃金などの経費を経時的に記録します。

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