別のお仕事でお隣の島へ出張。
お昼休み
のんびり集落を歩いていたら
「あなたの好きなものが埋もれているよ。」
と一緒にいた上司が教えてくれた。
なんのことかと思ってみて見たら・・・
草の中に山羊たちが。
横に並んで
しばらくふたりで
草に埋もれた山羊たちを
ただ眺める昼下がり。
「好きなものあるっていいね。」
と彼がぽつりと呟いた。
そう言って遠くをみた横顔が
わたしには
すこしさびしかった。
あなたの好きなもの
きっと
ただ埋もれているだけ
あなたの中にちゃんとある
だからどうか
見えなくなる前に
つかまえてください・・・
その横顔にそっと祈った。