Category Archives: 分類しないようなこと

今までの獣医療とこれからの獣医療

今までの獣医療とこれからの獣医療
機器の進化とともに変わる?というお話。
もうすでに始まっています。

対談はこちら

今回もSEO専門家の中田さんとの対談です。
12分のお話です。
お時間のある時にどうぞ。

どうぶつの本と絵本<やぎ> 「やぎのめーどん」

今回ご紹介する絵本は「やぎのめーどん」です。

やぎのめーどんと小さな女の子が山で過ごす1日を描いた本です。

「おはよう めーどん めーめーどん
やまにいこうよめーめーどん」

女の子の楽しい気持ちをのせて文章がリズムカルにつづられています。

太陽や風を感じたり、一緒に草を食べてみたり、しあわせをそっと仲間にわけてあげたり・・・

こんな風に気持ちをはずませて歌うように暮らす1日をやぎと一緒に過ごしてみたいな。

私の住む島ではこのような光景やヤギとの暮らしが昔はもっと日常に見られたのかもしれません。
なぜなら、牛ややぎの診療で伺うとおじいやおばあが、
「昔はヤギがいてね・・・」
と楽しそうにお話してくれることがあるのです。昔は一緒にやぎと山へ行ったのかな。
今度、お話をきいてみよう!

そして、
絵本の中の絵は迫力ある絵なのですが、
私は本を開いたときに表紙の裏にある
落書きみたいな絵がとても好きです。
きっとこの主人公の女の子のお絵かきの絵なのかな。
やぎと女の子がダンスしています。
小さい頃はこんな風に、気持ちや夢を絵にのせて描けていたのかもしれません。
それが私の心を懐かしい気持ちのさせるのでしょうか。

どうぶつとの日々の暮らしの「幸せのカケラ」がちりばめられた絵本です。

「やぎのめーどん」
たかくあけみ さく
福音館書店

病気じゃない病気について

病気じゃない病気

ヤギも牛も、飼う上で大切なことがあります。
動物の体で見落としがちなこと、間違えやすいことなどをお話しています。

どうぶつの本と絵本<やぎ> 「やぎのグッドウィン」

これから、時々どうぶつの本や絵本をご紹介したいと思います。
やっぱり、はじめはやぎさんの絵本。

今回ご紹介する本は「やぎのグッドウィン」です。

どんなお話かというと・・・

のうふのマックダッフさんに可愛がられているやぎのグッドウィン。
グッドウィンには秘密があって、
ごみばこのものをくちゃくちゃかむのが大好きなのです。
これが思わぬ騒動を引き起こす・・・というお話です。

獣医としては、
「ごみをくちゃくちゃするのが大好きなやぎ」なんてとてもおそろしい!!
のどやお腹につまらせる・・・とか
中毒になってしまうのではないかなどなどこわーい想像がふくらむところですが、
もちろんそんなことはこの絵本の中では起こりません。
(実際はヤギさんのごみ箱や餌箱のいたずらには気を付けてくださいね!!)

やぎのグッドウィンは物語の始めから終わりまで、
素直に自分の気持ちで動いて、ごきげんに暮らしています。
興味がある、やってみたい、こんなの嫌だ!
いろいろな気持ちをそのままに、もちろん、周りの目なんて気にしないで。

それとは対照的に絵本の中に出てくる人たちは
時に大切なものや価値を自分の気持ちではなく、
周りの評価や基準で決めてしまっているように感じました。

そればかりでなく、
あなたのため、あなたを大切に思っているからと
「あなた」という言葉を免罪符に、
相手を縛り付けてしまったり、
自分の欲求を叶えようとしたり・・・

その結果、大切なものを大切にするつもりがなくしてしまったり、
自分の気持ちと離れたことをやってしまったり…。
でもまたそこに気が付いて、もう一度やりなおしたり、その相手の気持ちを感じて感動するのも人間なんですね。人間はごちゃまぜで時にめんどくさい。

グッドウィンは物語を通していつも変わらず自分の思いに忠実に生き生きとした表情をしています。
ほんとうの気持ちとズレなければこんな風にいられるのかな。
たとえどんなことがおこっても。

「ただの出来事」を「騒動」にするのはいつも人間なのかもしれません。

その他にも、

やぎとの暮らしの中で、やぎってこんなことするよね!とクスッと思わず笑ってしまったり、

だれかに可愛がられていても、「それでも」という言葉に繋がる「ひとりぼっち」に思いをはせてみたり、

仲良くなる、繋がる瞬間だったり、

シンプルな線に色彩がのった絵も素敵で
読み返す度に、
その時々に心に触れる言葉やシーンが見つかり、
また、自分自身にも問いを立ててくれる
何度でも読み返したくなる絵本です。

「やぎのグッドウィン」
ドン・フリーマン さく
こみやま ゆう やく
福音館書店

山羊の診療Diary症例35 中手骨の骨折②

山羊の診療Diary症例35 中手骨の骨折②

今回のお話は、前回の続きになります。

左前足の中手骨を骨折してしまったおおちゃん。
副木とテープで仮に固定をし、次の日にギブスで固定することになりました。

まずはじめに、昨日仮で固定した副木とテープを外しました。

確認すすると、やはり中手骨が折れて、ガタガタしています。

はじめに「オルテックス」というギブス用包帯を巻きます。
これは、ふわふわした綿のようなもので、
ポリエステルとレーヨンの混紡で、肌触り・吸湿性に優れていてクッションの役目をします。
また、手で簡単に切れるので使いやすく、色が青いのでギブスをとる際に目印になります。

足先まで巻いたら、次に「スコッチキャスト」を巻いてギブス固定をします。
これは水で硬化させるキャスティングテープです。
素材はガラス繊維にポリウレタン樹脂を含浸させたもので、水に浸すと固まります。
石膏ギブスのような固定ができます。

ベタベタと接着するので必ず手袋をつけて行います。
素手では触らないようにしてくださいね。
そして、袋から出すと、どんどん固まってきてしまうので時間との勝負。
しっかり巻いた後は、お水をつけるとさらに固くします。

無事にギブス固定ができました。
しっかり固まっているので、足をついて歩けるようでした。

そして、3週間後・・・

ギブスを外しました。

外して骨折部位を確認するとしっかりとくっついていました。

立たせてみると、足を少し上げていましたが、このままリハビリもかねて様子を見ることになりました。

その後、飼い主さんからご連絡があり、徐々に足も地面について元気にしているというお話でした。

さらに1か月後・・・

診療の途中でおおちゃんのおうちのそばを通りかかったので、

「おおちゃーん!」
と声をかけると・・・

こちらに元気に歩いてきてくれました。


おっ!足も地面につけるようになっているね!
良かった、良かった。
これで広い放牧場で元気に遊べるね。

「ヤギの友」第42号に寄稿、掲載されました

全国山羊ネットワークで年2回発行されている会報「ヤギの友」の第42号に寄稿し掲載されました。

今回私たちは、前回の第41号に引き続き
「山羊の病気と削蹄」について寄稿しました。

削蹄は、削蹄師のゆうきさんと一緒にお隣の島のヤギのくになかちゃんにモデルになっていただき、削蹄したときの事例を紹介しました。

病気については、
・産後の膀胱炎
・ルーメンアシドーシス2例
についてまとめました。

特に、ルーメンアシドーシスを理解するために、ヤギの胃や消化の仕組みを図解しました。
ヤギは人間と違い、胃が4つもあるのでなかなか理解が難しい部分でもありますが、
消化の仕組みを理解すると、ヤギの食事や病気に対する理解が深まると思います。
また、治療のための「経口チューブの挿入法」やそのときに使用する手作りの道具についてご紹介しました。

「ヤギの友」は全国ヤギネットワークの会報です。
ご興味がある方は、ホームページはこちらです↓

https://japangoat.web.fc2.com/

ヤギと一緒にロッケンロール♪

この度、ゆうきさんの牧場のヤギのだいわくんが
ミュージックビデオに出演しました!!

沖縄県にはなんと、琉球ドラゴンプロレスに所属する
ヤギのプロレスラー「ヒージャーキッドマン」さんがいます。
沖縄の方言で「ヤギ」=「ヒージャー」なのです。

そのヒージャーキッドマンさんのテーマソングのミュージックビデオにだいわくんが出演しました。

ビデオはこちらです↓
「ヒージャーキッドマンのテーマ」
演奏 THE OSAKA BULL(s)

THE OSAKA BULL(s)さんのHPはこちら

ビデオの中でだいわくんは見事な「マイダツ・脳天割り」を決めています。

(マイダツ・脳天割りの記事はこちら)

とっても元気の出る歌で、診療に行く途中についつい口ずさんでいます。

♪きっとヒーローきっとヒーロー
ヒーローヒージャーキッドマン♪

みなさんもぜひ
ヤギと一緒にロッケンロール♪

ヤギ界のヒーローとして
ヒージャーキッドマンさんがんばってくださいね。
必殺技のヒージャードロップキックを炸裂させてください。
ケガの時は診療しましょうか・・・!?
応援していますー。

琉球ドラゴンプロレスのHPはこちら

CDはこちらです。


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その場で処理する習慣

その場で処理する習慣。

目に止まったことを、その場で解決して、頭の中から全て消し去ってしまうように心がけている。

そして次のアクションは、その行動の結果から自分の目の前に現れる仕掛けをしておく。

例えば、必要なものがあったときに、その場でアマゾンから発注してしまう。

発注した事は忘れていても、しばらくすると荷物の到着により次の仕事がスタートするように。

例えば誰かから何かをの質問を受けたときに、その場で調べてしまう。または、その場で調べて伝えられる形にまでしてしまう。

そしてそれを、次にその人と会うタイミングの予定表に書き込んでしまう。

覚えておかなければいけないとか、次回に持っていかなければいけないものがあるときは、予定表に書き込んでしまう。

とにかく一度に覚えていられる数には限りがある。そしてその数を超えると、古い方から押し出されて忘れてしまう。

だから、次に思い出すポイントを作ってしまうか、その場でできる事を可能な限りやってしまう。

そうして、自分の頭にものがいっぱいになってしまうのを防いでいます。

どんなに気をつけてても、どうせ一度にいくつも覚えていられないんだから。

プルプルプル

「はい、あ、すみません。今日行く予定でしたっけ?

急いで行きます。」

それでも、予定に入れるのを忘れてしまうと、完全に忘れてしまうのをどうしたらいいのか考え中です。

島の「ほうき」と山羊のらぶちゃん

今日は私の住む島の「ほうき」をご紹介します。

私は、この島に来る前に雑誌の雑貨特集でこのほうきをみて一目惚れ。
まるいフォルムがかわいい。
島に住んだら是非使ってみたいと思っていたのでした。

しかし、実際町中で使っている人は見当たらず。
販売しているお店も、少し装飾のあるほうきがお土産屋さんにあるのをみかけただけでした。

いったいどこにあるのかなぁと頭の片隅にいつもありました。

牛の診療にまわりはじめると、牛舎にかかっているのを発見。

このほうきは「すすき」でできていることがわかり、昔はどのお家でも自分で作って使ってたと
お話を伺うことができました。

そしてなんと身近に作れる人がいました。

ゆうきさんもゆうきさんのお父さんも作れるとのこと。

ススキを集めてきてお願いして作っていただきました。

お散歩帰りの山羊のらぶちゃんも興味津々。


作り終わるまで、ときにお口でぱくぱくすすきを引っ張って、おじゃま虫をしながら
じーっと見学していました。

完成したのはこちら。

やっぱり、とってもかわいい。そして細かいゴミも掃くことができて実用的です。

そして、らぶちゃんをほうきで撫でてみるとなんだか喜んでいる?!
新しい使い方「山羊なでほうき」はどうでしょう。

今では、ほうき事態があまり使われなくなったり、ホームセンターに行けば安い値段で購入することができますが、
地域の知恵と伝統がつまったこのようなほうきはこれからも活躍してほしいなと思いました。
私もがんばって作れるようになろう!!

木箱の診療セット

今日は、夕方に牛舎に行くととてもうれしいことがありました。

なんと、手作りのお薬など診療の道具を入れる箱をゆうきさんが作ってくれていました。

私は、診療車に乗せる診療セットを入れる箱について、しばらく悩んでいました。

プラスチックのバスケットをいくつか試したり、
100円ショップやホームセンターに行っては、ちょうどよいものがないか探していました。
なかなか、実用的でなおかつ好みのものが見つからず・・・。
緊急時に対応できて、なおかつ自分が心地よく使えるものがあったらいいなと思う日々。

私が探していた箱は、

・あまり箱が深いとお薬が取りにくいから深すぎないもの。
・薬を上から見ると何の薬かわからなくて、探すのに時間がかかるから一目で見えるようなもの。
・車まで薬を取りにいかなくて済むように持ち運びができるもの。
・病院の共用の車は診療の他にセリや荷物の運搬などいろいろな用途にも使用するので、
使う用途、使う人それぞれにアレンジができるように動かせるもの。
・衛生的に牛舎の下に置かずに掛けられるもの。
・個人的に木の素材が好き

しかし、こんな箱はどこにも見つかりませんでした。

すると、
DIYの得意なゆうきさんが、
木箱の診療セットを作ってくれることになったのです。

もともと、
ゆうきさんの人工授精の時に使用している車は、工夫がいっぱいで
見せていただいたときに、
素晴らしいな、私もこんな風にしたいなと思っていました。

物の場所がきちんと決まっていて、
それぞれ手作りでサイズがぴったりに収まるようになっています。

そして、車を見せてもらったときに、聞いたおはなしが
とても心に残っています。

ゆうきさんのお父さんは電気屋さんで、
その工具箱がいつもきちんと整えられているのを見てきたそうです。
自分が仕事に使う道具を整えておくこと、手入れしておくこと。
それは、きっと
お客様に対する誠意でもあり、自分の仕事に対する誇りでもあると思いました。

山羊さん達の草をいつも電気屋さんの車で運んでくれるお父さん。
その道具箱はお父さんの車の助手席にそっと置かれています。

・・・

私も作っていただいた木箱に
さっそくお薬や診療に使う道具を入れてみました。

お薬が一目瞭然。
緊急の時も、すぐにお薬を見つけることができます。
注射器や針もちょうどよく収まりました。

木箱の横には、ゆうきさんオリジナルの
可愛い山羊さんや牛さんの絵があります。


木を焼いて素敵な色合い。
そして、
肩に下げられたり手持ちにもできます。

診療車に置いても、ぴったりでした。

実用的で素敵な箱を作っていただいて感謝感激。
ありがとうございました。

新たな相棒の木箱。
木箱を使い込んで良い風合いになる頃には、
山羊の診療も私もこの地域になじんでいますように。